セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓(C型肝炎2)

タイトル 消P-26:

当院におけるC型慢性肝炎に対するTelaprevir/Peg-IFN/RBV併用療法の臨床的検討

演者 長谷川 浩司(国立三重中央医療センター・消化器科)
共同演者 子日 克宣(国立三重中央医療センター・消化器科), 竹内 圭介(国立三重中央医療センター・消化器科), 亀井 昭(国立三重中央医療センター・消化器科), 渡邉 典子(国立三重中央医療センター・消化器科)
抄録 【目的】【第一世代のプロテアーゼ阻害剤Telaprevir(TVR)を含むPEG-IFNα2b/RBVとの3剤併用療法はIb型高ウイルスC型慢性肝炎に対する治療成績を向上させたが,一方でその副作用の発現の多さも報告されている.今回当院における3剤併用療法の現状を報告しその有効性および副作用の発現について検討する.【対象】2012年1月から2013年1月までに治療を開始したC型慢性肝炎症例16例.男性 10例,女性 6例.平均年齢 67.1(53-75)歳.初回治療:再燃=3:13.投与前ウイルス量平均6.3(5.0-7.4)LogIU/ml.初期TVR投与量を2250mg群(13例)と1500mg群(3例)に分けて検討した.【結果】投与4週でのウイルス消失率は56.2%,投与8週でのウイルス消失率は100%,投与終了後24週まで観察できた8例のSVRは80%であった.副作用の出現頻度及び程度.倦怠感は全例に出現しGrade (以下G)1:G3=10:6.貧血は全例に出現し,G1:G2=10:6.血小板減少は3例に出現しG1:G3=1:2.皮膚掻痒は全例に出現G1:G3=14:2.皮疹も全例みられG1:G3=14:2.食欲低下も全例に出現しG1:G2:G3=12:2:2.腎障害は2例にみられG3で1例中止となった.全例副作用にて減量を施行.完遂15例,中止1例(腎障害),完遂率は90%であった.初期TVR投与量別では減量群の症例が少なく通常量投与群との間で食思不振,全身倦怠感の程度が減量群で比較的軽度であったが,減量群で腎障害にて中止例がみられ,減量投与にても慎重に副作用発現に注意をしていく必要があった.また比較的高齢の症例に対しての投与であったが,全体として重篤な合併症の出現頻度は低く治療が可能であった.【結語】Ib型高ウイルスのC型慢性肝炎3剤併用療法は有効な治療法であるが,安全に治療を継続するには副作用発現に対して適切な減量等の対処が必要であると考えられる.
索引用語 C型慢性肝炎, 3剤併用療法