セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓(C型肝炎3)

タイトル 消P-27:

血小板低値のC型慢性肝炎に対する脾摘後のテラプレビル3剤併用療法の検討

演者 西 雅明(筑波学園病院・消化器内科)
共同演者 小玉 夏美(筑波学園病院・消化器内科), 松田 健二(筑波学園病院・消化器内科), 川島 玲(筑波学園病院・消化器内科), 川西 宣裕(筑波学園病院・消化器内科), 松木 康彦(筑波学園病院・消化器内科)
抄録 【目的】線維化の進行した血小板数(Plt)低下例では,第二世代プロテアーゼ阻害薬が使用可能になるまで時間的余裕がないと考えられても,テラプレビル(TPV),ペグインターフェロン(Peg-IFN),リバビリン(RBV)3剤併用療法はPlt低値にて導入が不可能であったり,治療を中止せざるを得ない症例もある.そこでPlt低下例に部分的脾動脈塞栓術を行い,Pltを増加させて治療を行った報告が少数あるが,外科的に脾臓摘出術を施行してから治療を行った報告はない.今回我々は脾摘後に3剤併用療法を行い,その有効性と安全性の検討を行った.【対象および方法】Plt10万/μl以下の1型高ウイルス量の慢性C型肝炎患者にて同意を得た上で脾摘手術を施行,または外傷で脾摘手術になった症例3例にて,TPV/Peg-IFN/RBV治療を行った.【結果】症例は男性3例,平均年齢55歳(47-64)である.脾摘前のPltは平均7.0万/μl (6.8-8.2) ,脾摘後3剤併用治療導入時のPltは15.2万/μl(12.8-16.7) ,血清アルブミンは3.7g/dl(3.4-4.5) ,PTは80.4%(70-92.6)であった.治療中のPltの最低平均値は7.9万/μl(5.3-11.9)であった.治療効果は,2例がRVRで,そのうち1例はSVRとなり,もう1例もETRでfollow up中である.1例は治療開始8日目でHCR-RNAが5.9LogIU/mlから1.4まで低下するも,27日目に高アンモニア血症が出現して治療中止となった.副作用は,治療を完遂した2例ともHbの低下でRBVの減量を必要とした.また2例ともTPVによる薬疹がGrade2となり,PSLの投与を行い,1例ではTPVを一時中断した.また2例とも高尿酸血症を呈しフェブキソスタットを使用した.【結論】Plt低値のC型慢性肝炎に対して,脾摘後の3剤治療は治療効果が期待できるが,副作用も強く,慎重な経過観察と適切な処置が必要と考えられた.
索引用語 脾摘, テラプレビル