セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓(C型肝炎3)

タイトル 消P-30:

24時間血糖測定から見たC型慢性肝炎患者とNAFLD患者の耐糖能異常の相違についての検討

演者 小野 正文(高知大・消化器内科)
共同演者 羽柴 基(高知大・消化器内科), 石川 洋一(高知大・消化器内科), 永田 友梨(高知大・消化器内科), 吉岡 玲子(高知大・消化器内科), 越智 経浩(高知大・消化器内科), 宗景 玄祐(高知大・消化器内科), 小笠原 光成(高知大・消化器内科), 廣瀬 享(高知大・消化器内科), 高橋 昌也(高知大・消化器内科), 岩崎 信二(高知大・消化器内科), 西原 利治(高知大・消化器内科)
抄録 【目的】これまで我々はNAFLD患者に対しContinuous glucose measurement system(CGMS)を用いて24時間血糖測定を行い,線維化進展症例ほど血糖変動幅が大きいことを報告してきた.一方,C型慢性肝炎においては肝疾患進展例には糖尿病の合併が多いとされているが,血糖値の変動および臨床データーとの関連などの詳細な検討は少ない.今回我々は,C型慢性肝炎患者に対しCGMSを用いて24時間血糖測定を行いNAFLD患者の特徴と比較検討を行った.
【方法】対象はC型慢性肝炎患者20名と肝生検にてNAFLDと診断のついた20名の計40名について,入院にてCGMSを用いて24時間血糖測定をした患者の臨床的特徴について比較検討を行った.
【成績】NAFLD患者を線維化軽度群(A:F0-2)と線維化進展群(B:F3-4)に分け,それぞれの24時間血糖変動および血液検査を比較検討したところ,グループAに比べグループBの方がAlb, 血小板,1,5-AGは低く,HbA1c,ヒアルロン酸,IV型コラーゲン7Sは有意に高かった.次に,C型肝慢性肝炎について24時間血糖変動を検討した.一日血糖変動幅が100mg/dl以内の群(A)と100mg/dl以上の群(B)に分類し,血液生化学検査を比較検討したが両群で違いを認めなかった.さらにサブ解析として,グループB群の中で,夜間血糖が90mg/dl以上の群(B-a)と90mg/dl未満に低下する群(B-b)に分類したところ,B-b群の方がTP, Alb, 血小板が明らかに高く肝予備能が良い傾向であった.
【結論】線維化が進展したNAFLDでは一日の血糖変動が大きいのに対し,C型慢性肝炎ではそのような特徴は認めなかったばかりか,両群間で臨床的違いは明らかでなかった.CGMSを用いた血糖測定検査から,肝疾患を基盤とした耐糖能異常であっても原因疾患により違いがあることが明らかとなった.
索引用語 C型慢性肝炎, CGMS