セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓(C型肝炎3)

タイトル 消P-32:

ベニフウキ緑茶品種は,C型慢性肝炎のペグインターフェロン/リバビリン/テラプレビル三者併用療法の皮疹等の副作用を軽減し安全性を高める可能性がある

演者 坂井 圭介(中東遠総合医療センター・消化器内科)
共同演者 小野 幸矢(中東遠総合医療センター・消化器内科), 鮫島 庸一(中東遠総合医療センター・消化器内科)
抄録 【目的】C型慢性肝炎におけるペグインターフェロン/リバビリン/テラプレビル三者併用は,難治性1型高ウイルス量患者で高い著効率を期待できる治療法である.一方皮疹や貧血など重篤またはQOLを損なう副作用を伴い治療中止に追い込まれる症例も少なからず報告されている.高額な治療法であり,薬剤順守率を維持し,治療を決意した患者の完治率を高め,医療費を適正に運用する工夫が医療者には求められる.抗アレルギー性を有するメチル化カテキンを多く含むベニフウキ緑茶品種を用い,本三者併用療法の副作用を軽減し安全性を保ち,治療継続性を高めるかを検討した.
【方法】対象は1GHのC型慢性肝炎で,3か月以上治療継続した症例及び副作用にて治療中止した症例8例(57.9±11.3歳 34~71歳 男女各4例).緑茶投与例は,治療開始4週前より,緑茶粉末1日量6gの摂取を開始した.治療開始後はペグインターフェロン注射部位には1日数回,緑茶成分含有保湿剤を塗った.また皮疹やかゆみがあれば,適宜塗布した.文書でICを得た.
【成績】治療完遂もしくは継続症例は4例(57.9±11.3歳 61~71歳 男女各2例).全例緑茶を継続的に服用し,保湿クリームを適宜用いた.HCV-RNAは4週目で全例陰性化した.皮疹はGrade1の範囲内で,患者の治療受容度は高い.治療中止例は4例(51±12.3歳 32~61歳 男女各2例).治療中止理由は,食思不振・全身倦怠感が1例,高度の皮疹粘膜症状が3例.3例は治療中緑茶の服用なく,1例は緑茶自己都合中止後Grade3の皮疹が出現し治療中止となった.
【結論】メチル化カテキンを多く含むベニフウキ緑茶品種の摂取・外用剤併用は,C型慢性肝炎のペグインターフェロン/リバビリン/テラプレビル三者併用療法の皮膚粘膜症状などのQOLを損なう副作用を軽減し,患者が安全かつより快適に治療を続け,減薬・中止に追い込まれるリスクを減らし,治療の費用対効果を高める可能性がある.
索引用語 C型慢性肝炎, べにふうき