セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓(腫瘍1)

タイトル 消P-45:

当院における80歳以上の肝細胞癌患者の臨床的検討

演者 綛田 真也(清恵会病院)
共同演者 村居 晴洋(清恵会病院), 石井 道治(清恵会病院), 星本 真弘(清恵会病院), 北岡 治子(清恵会病院)
抄録 【目的】当院で過去10年間に経験した80歳以上の肝細胞癌患者について臨床的検討を行った.【方法】当院で2003年1月から2012年12月までに経験した,80歳以上で初発の肝細胞癌患者(以下HCC)16例について理学的,血液生化学的および画像所見について検討した.【成績】16例の内訳は男:女 4例12例で女性例が多かった.年齢83.1±3.9歳.成因はHCV:HBV:アルコール:非B非C:不明で各々 8例1例1例5例1例であった.HCC発見の契機は 定期通院:画像検査で偶然指摘:肝癌破裂:骨転移で各々 6例6例3例1例であった.血液生化学的所見はAST59.6±45.9IU/L,ALT32.8±19.4IU/L,γGTP103.4±128.8IU/L,Alb3.4±0.6g/dL,PLT16.6±8.4×104μL,T-Bil1.2±0.7mg/dL,AFP1105.7±2834.5ng/mL,PIVKA-2 4400.8±6886.2mAU/mLで,腫瘍径は5.0±3.0cmであった.単発:多発 11例5例で単発例が多かった.以上より高齢者のHCC患者は定期通院でなく,偶然または有症時に発見される例が多いため,腫瘍径が大きく腫瘍マーカーも高値であった.16例中5例が肝細胞癌に対する治療を受けた.治療の有無で男女比,年齢,成因,血液生化学検査所見,腫瘍径を比較したところ両群間で統計学的有意差は認めなかった.また治療の有無で生存分析を行ったが,両群間で生存期間に有意差は認めなかった.【まとめ】当院における高齢者のHCC患者は女性が多く,偶然または有症時に発見される例が多かった.高齢者のHCC患者では積極的な治療をおこなっても有意な生存期間の延長は認めなかった.
索引用語 肝細胞癌, 高齢者