セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)肝臓(腫瘍2) |
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タイトル | 消P-51:肝癌破裂に対する経カテーテル的血管塞栓術施行例の検討 |
演者 | 大沢 光毅(庄原赤十字病院・内科) |
共同演者 | 鎌田 耕治(庄原赤十字病院・内科), 大屋 一輝(庄原赤十字病院・内科), 杉本 智裕(庄原赤十字病院・内科), 益田 和彦(庄原赤十字病院・内科), 盛生 慶(庄原赤十字病院・内科), 盛生 玲央奈(庄原赤十字病院・内科), 谷口 真理(庄原赤十字病院・内科), 桑原 隆泰(庄原赤十字病院・内科), 毛利 律生(庄原赤十字病院・内科), 服部 宜裕(庄原赤十字病院・内科), 中島 浩一郎(庄原赤十字病院・内科), 高嶌 寛年(庄原赤十字病院・外科) |
抄録 | 【目的】肝癌(HCC)破裂は,出血性ショックから非常に重篤な状態になり得る予後不良な病態であり,一般的に緊急で経カテーテル的血管塞栓術(TAE)が行われる.今回我々は当院でのHCC破裂に対するTAE施行例について検討した.【対象】2005年4月から2012年8月までにHCC破裂に対してTAEを施行した6例を対象とした.年齢57~97歳(平均72歳),全例男性,ウイルス別ではB:1例,C:3例,非B非C:2例,肝障害度はA:2例,B:2例,C:2例,主腫瘍径は30~100mm(平均56mm),腫瘍個数は単発4例,多発2例でstageII:4例,III:2例.【方法】カテーテルを責任血管まで挿入して血管外への造影剤漏出像を確認後,スポンゼルで漏出像消失まで塞栓を施行した.【結果】6例中5例でTAEに成功した.残りの1例は再出血を来したが,肝予備能不良のためTAEを再施行できなかった.TAE後の追加治療として,肝切除,肝動注化学療法(HAI),TACE後にHAIをそれぞれ1例ずつ施行した.予後は2~7か月であった.【症例】57歳男性,背部痛を主訴に来院しHCC破裂(S3,40mm)と診断.ショック状態であり血液製剤等を急速投与しながら緊急でTAEを施行(A3を塞栓).TAE後経過良好で,肝障害度Aのため追加治療として肝外側区域切除術を施行.破裂3ヵ月後,肝内多発転移,腹膜播種,多発骨転移などを認めたため,破裂3ヶ月半後よりsorafenib投与(初回400mg.投与後24日で800mgに増量)を開始.破裂6ヶ月後,sorafenibの副作用である口腔粘膜病変のため入院.粘膜病変は軽快したが,腹膜播種の急速な増大とともに全身状態が悪化し,破裂7ヵ月後永眠.【結語】肝癌(HCC)破裂は腹膜播種などで急速な病態悪化を来すなど,長期的には予後不良の病態である.しかし止血効果に優れる経カテーテル的血管塞栓術は,HCC破裂に対する救命処置としては第一選択の治療法と考えられる. |
索引用語 | 肝癌破裂, TAE |