セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)肝臓(腫瘍3) |
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タイトル | 消P-53:閉塞性黄疸を伴う高度進行肝細胞癌(HCC)の臨床的検討 |
演者 | 藤瀬 幸(鳥取大・機能病態内科) |
共同演者 | 孝田 雅彦(鳥取大・機能病態内科), 三好 謙一(鳥取大・機能病態内科), 木科 学(鳥取大・機能病態内科), 加藤 順(鳥取大・機能病態内科), 杉原 誉明(鳥取大・機能病態内科), 徳永 志保(鳥取大・機能病態内科), 岡本 欣也(鳥取大・機能病態内科), 大山 賢治(鳥取大・機能病態内科), 法正 恵子(鳥取大・機能病態内科), 岡野 淳一(鳥取大・機能病態内科), 村脇 義和(鳥取大・機能病態内科) |
抄録 | 【目的】肝細胞癌(HCC)による胆道閉塞は,胆管浸潤や腫瘍による胆管圧排によっておこるため,しばしば減黄に難渋し,予後不良の病態とされてきた.しかし近年,内視鏡的胆道ドレナージなどの減黄術によって,HCCの治療も可能となってきた.今回我々は,当院における閉塞性黄疸を伴うHCCの治療・予後について検討した.【方法】2005年~2008年までに当院でHCCと診断され経過中に閉塞性黄疸を来たした4症例について,閉塞機転,胆道ドレナージなど処置の有無,追加治療の有無,閉塞性黄疸発症からの予後,合併症,死因について検討した.【結果】対象は,すべて男性.平均年齢は68歳(58-84歳).背景肝疾患は4例とも肝硬変で,病因はB/C/NBNC=2/1/1例であった.Child-Pugh分類は(A/B/C=4/0/0例)であった.閉塞機転は,胆道出血2例,リンパ節転移による胆管圧排1例,胆管浸潤1例.いずれも初回治療に,内視鏡的ドレナージが施行され(ENBD/ERBD=3/1例),全例で黄疸の改善が得られた.4例中3例にドレナージチューブの交換を要した.減黄術後にHCC治療を行ったのは2例であり,1例はTACE,TAI,放射線治療を,もう1例はTAIを施行した.その他の2例は,T-Bilの安定した正常化が得られず,保存的加療となった.手術適応になる症例はなかった.閉塞性黄疸発症から死亡までは平均7.5ヶ月(5-13ヶ月)であった.合併症は,胆管炎2例,biloma1例で,胆管炎はドレナージと抗生剤投与で改善した.死因は,出血1例,敗血症1例,癌の進展による肝不全2例であった.【結論】閉塞性黄疸を伴うHCCは予後不良であるが,内視鏡的胆道ドレナージは侵襲が少なく,進行HCCによる閉塞性黄疸に対しても有効であり,QOLの改善,生存期間の延長が期待できる. |
索引用語 | 閉塞性黄疸, 肝細胞癌 |