セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)肝臓(腫瘍4) |
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タイトル | 消P-59:初発肝細胞癌に対する経皮的ラジオ波焼灼療法(RFA)施行後の再発リスク因子の検討 |
演者 | 小橋 春彦(岡山赤十字病院) |
共同演者 | 歳森 淳一(岡山赤十字病院), 浅野 基(岡山赤十字病院), 矢部 俊太郎(岡山赤十字病院), 片岡 恵美子(岡山赤十字病院), 安藤 智子(岡山赤十字病院), 重歳 正和(岡山赤十字病院), 前島 玲二郎(岡山赤十字病院), 井上 雅文(岡山赤十字病院), 横山 元浩(岡山赤十字病院) |
抄録 | 【目的】初発肝細胞癌に対する経皮的ラジオ波焼灼療法(RFA)の術後再発に関与するリスク因子を明らかにする. 【方法】対象は径3cm以下3個以内の初発肝細胞癌に対しCool-Tipシステムを用いてRFA(TACE併用を含む)を施行した43例(男31例,平均72歳).背景はHCV23例,HBV2例,アルコール13例,非B非C5例.単発23例,2個9例,3個1例.平均腫瘍径1.8cm,乏血型11例,多血型32例.Child-Pugh分類A26/B7/C2.AFP中央値10.1(1.4~395),PIVKA-II中央値 48.0(14~902).RFA施行後の再発率と生存期間に対するリスク因子をKaplan-Meier法および比例ハザードモデルを用いて検討した. 【成績】(1)背景疾患と腫瘍径または腫瘍個数の間に関連はなかった.多血型は乏血型に比して腫瘍径が有意に(p=0.0016)大きかった(平均2.0cm/1.3cm).アルコールと非B非Cでは多血型が多い傾向を認めた.(2)再発:43例中14例で再発を認めた(局所10,他部位4).平均無再発期間は全体で783日.初発時2cm超の症例はそれ以下に比して再発率が有意に高かった(539日/1204日,p=0.03). 多血型は乏血型よりも再発率が高かった(p=0.036).腫瘍個数,背景疾患による差はなかった.(3)平均生存期間:全体で1539日.Child-Pugh分類B/Cの症例はAに比して有意に短かった(p=0.0174).またPIVKA-II 40mAU/mL以上の症例は未満の症例よりも短い傾向を示した. 【結論】初回RFA後の再発に関与するリスク因子として腫瘍径2cm超と多血型が挙げられた.一方,腫瘍個数(単発/2~3個)による再発率の差はなかった.多発性肝癌(2~3個)であっても乏血性結節,2cm以下の早期にRFAを行うことにより再発リスクが減少するため,早期RFAが推奨される.一方生存期間に対しては腫瘍因子よりも肝予備能低下(Child-PughBまたはC),PIVKA-II高値(40以上)が重要なリスク因子であった. |
索引用語 | 肝細胞癌, ラジオ波 |