セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓(腫瘍4)

タイトル 消P-60:

TACE治療の予防的抗生剤投与‐経口剤と静注剤の比較‐

演者 今井 祐輔(愛媛県立中央病院・消化器内科)
共同演者 平岡 淳(愛媛県立中央病院・消化器内科), 白石 明子(愛媛県立中央病院・消化器内科), 達川 はるか(愛媛県立中央病院・消化器内科), 中原 弘雅(愛媛県立中央病院・消化器内科), 山子 泰加(愛媛県立中央病院・消化器内科), 清水 祐宏(愛媛県立中央病院・消化器内科), 谷平 哲哉(愛媛県立中央病院・消化器内科), 宮田 英樹(愛媛県立中央病院・消化器内科), 二宮 朋之(愛媛県立中央病院・消化器内科), 道堯 浩二郎(愛媛県立中央病院・消化器内科)
抄録 【背景・目的】肝動脈化学塞栓療法(TACE)の術後感染症対策に予防的抗生剤投与が広く行われている.一般的には経静脈的抗生剤が使用されているが経口抗生剤に比べ高コストである.レボフロキサシン(LVFX)は経口(po)でも経静脈投与(div)と同様の血行動態を示す.そこで今回我々は,DPC導入を機にTACE後のLVFXの予防的投与における有用性を検討した.【対象・方法】対象は2012年5月~2013年2月に当科でTACE単独療法を行った140例中,透析・データ欠損症例を除いた125例.’12年5月~同9月に入院の69例はセフォチアム(CTM)(1g)2回/日のdivを(A群),DPC導入後同10月~’13年2月に入院の56例はLVFX(500mg)1錠/日のpoを行った(B群).抗生剤はTACE当日より開始しWBC,CRPがピークアウトし発熱がみられなくなるまで投与した.両群の臨床像,治療経過に関して比較検討した.【結果】性別(例) (A群:男性56,女性13,B群:男性42,女性14),年齢(歳) (A群:72.8,B群:73.2),TNM分類(例) (StageI:II:III:IVa:IVb=A群:1:34:30:2:2,B群:3:20:28:2:3),術前のChild Score(例)(A:B:C=A群:57:11:1,B群=46:13:0),HbA1c(%)(A群:5.4,B群:5.5)に有意差はなかった.両群とも肝膿瘍は発生せず,術後在院日数に差はなかった(A群:7.3,B群:6.9).また,術後3日目のCRP(mg/dl)(A群:3.8,B群:4.1),TACE後一過性に38度以上の発熱をきたした症例(A群34,B群20)で有意差はなかった.投与日数は(A群:5.3,B群:6.9;P=0.03)でA群が有意に短かったが,処方コスト(円)は(A群:13114.6,B群:3279.6;P<0.001)でB群が有意に低かった.【結論】TACE後のLVFX予防投与はdivと比べ,経済的で投薬管理も容易で効果に差は無く,TACE後の管理に有用であると考えられた.
索引用語 TAE, 肝細胞癌