セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)肝臓(腫瘍5) |
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タイトル | 消P-64:肝細胞癌切除例(3cm,3個以下)の肉眼分類と予後 |
演者 | 颯田 祐介(大垣市民病院・消化器内科) |
共同演者 | 熊田 卓(大垣市民病院・消化器内科), 桐山 勢生(大垣市民病院・消化器内科), 谷川 誠(大垣市民病院・消化器内科), 久永 康宏(大垣市民病院・消化器内科), 豊田 秀徳(大垣市民病院・消化器内科), 金森 明(大垣市民病院・消化器内科), 北畠 秀介(大垣市民病院・消化器内科), 多田 俊史(大垣市民病院・消化器内科), 新家 卓郎(大垣市民病院・消化器内科), 伊藤 隆徳(大垣市民病院・消化器内科), 長谷川 綾平(大垣市民病院・消化器内科), 安藤 祐資(大垣市民病院・消化器内科), 山本 健太(大垣市民病院・消化器内科), 田中 達也(大垣市民病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】近年,肝細胞癌(HCC) の生物学的悪性度の指標として肉眼分類が注目されている.今回われわれは3cmかつ3個以下の切除例の予後に関して検討したので報告する.【方法】対象は1990年から2012年までに経験したHCC1903例で肝切除がなされた614例中,最大腫瘍径が3cm以下でかつ3個以下であった328例である.年齢は67歳(20~85),女性101例,男性227例,成因としてB型63例,B+C型3例,C型228例,NBNC型34例であった.Child-Pugh分類ではAが310例,Bが18例で,組織学的分化度(有意な組織型)は高分化型86例,中分化型210例,低分化型17例,未分化型2例,混合型3例,不明10例であった.StageはIが162例,IIが146例,IIIが20例であった.これらを原発性肝癌取扱規約に準じて小結節境界不明瞭型(小結節)19例,多結節癒合型(多結節),単純結節型(単純)227例,単純結節周囲増殖型(単周)60例に分類し,これらの症例につき予後を中心として検討した.【成績】小結節,単純,単周,多結節の予後は5年と10年と15年でそれぞれ,89.2%と22.3%と22.3%,80.7%と56.0%と41.8%,90.1%と57.5%と23.9%,80.3%と70.2%と70.2%であり4群間に差を認めなかった.高分化型,中分化型,低・未分化型の予後は5年と10年と15年でそれぞれ,88.3%と62.9%と40.0%,81.5%と52.9%と43.0%,76.7%と48.7%と24.4%と低・未分化型で低かったが有意差はなかった.【結論】3cm,3個以下のHCCの切除例について肉眼分類別,組織学的分化度別に予後を検討した.いずれも比較的予後が良好であり,さらなる予後延長を期待するには,基礎の肝疾患のコントロールが鍵と考えられた. |
索引用語 | HCC, 肉眼分類 |