セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
肝臓(腫瘍6)
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タイトル |
消P-69:切除不能な肝内胆管癌・細胆管細胞癌の治療成績
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演者 |
平松 憲(広島大大学院・消化器・代謝内科学) |
共同演者 |
相方 浩(広島大大学院・消化器・代謝内科学), 茶山 一彰(広島大大学院・消化器・代謝内科学) |
抄録 |
【目的】切除不能な肝内胆管癌・細胆管細胞癌の治療成績について検討する.【方法】当科では切除不能な肝内胆管癌・細胆管細胞癌に対して,肝予備能や全身状態が許せば,肝外転移を伴わない症例に対してはHAICを,肝外転移を伴う症例に対しては全身化学療法を行っている.また,骨転移合併例には放射線治療とゾレドロン酸を併用している.1999年7月から2012年9月までに,生検により病理診断が得られた切除不能な腫瘤形成型の肝内胆管癌(ICC)ないし細胆管細胞癌(CoCC)の27例を対象とし,その治療成績を検討した.いわゆる肝門部胆管癌は除外した.【成績】男性17例,女性10例.年齢中央値68歳(38~86).組織診断はICC/CoCC/ICCないしCoCCがそれぞれ23/2/2例であった.肝予備能は4例がChild Bで, 残りの23例はChild Aもしくは非硬変肝であった.肝炎ウイルス陽性率は,HBV7%,HCV26%で,NBNCが67%であった.腫瘍因子では,主腫瘍径中央値62mm.腫瘍数は単発6例,多発21例.StageIII/IVa/IVb:6/2/19例であった.初回治療法は,TACE/HAIC/全身化学療法/BSC:5/7/12/3例であった.HAICでは,6例がsystemic GEM+low dose FP,1例がlow dose FPで,3例が途中で全身化学療法に切り替わった.全身化学療法の初回治療法はTS1等の単剤治療が4例で,残り8例がGEM+TS1であった.GEM+TS1の8例中3例がGEM+CDDPに切り替わった.全体での1/2/3年生存率は,40/20/0 % (MST 10.6ヶ月). 初回治療法別のMSTは,それぞれTACE/HAIC/全身化学療法/BSC: 5.9/28.1/10.3/2.1カ月であり,HAIC症例では,その他の症例に比し,有意に良好であった(p=0.009).全身化学療法症例は,StageIVb症例が対象であったが,GEM+TS1 /GEM+CDDP症例8例に限るとMSTは20.6ヶ月で比較的良好であった.生存に寄与する因子を多変量解析にて検討したところ,HAIC(p=0.022),肝性脳症なし(p=0.045)が有意な因子として抽出された.【結語】HAIC症例の成績は他の治療法より良好であった.StageIVb症例に対してGEM+TS1/ GEM+CDDPが有用である可能性が示唆された. |
索引用語 |
肝内胆管癌, HAIC |