セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓(門脈圧亢進症1)

タイトル 消P-82:

当院における胃静脈瘤に対するB-RTV施行例の検討

演者 田中 将平(国立国際医療研究センター・消化器科)
共同演者 青木 智則(国立国際医療研究センター・消化器科), 大武 優希(国立国際医療研究センター・消化器科), 小森 寛之(国立国際医療研究センター・消化器科), 櫻井 恵(国立国際医療研究センター・消化器科), 藤澤 真理子(国立国際医療研究センター・消化器科), 三島 沙織(国立国際医療研究センター・消化器科), 梅本 久美子(国立国際医療研究センター・消化器科), 大久保 栄高(国立国際医療研究センター・消化器科), 関根 一智(国立国際医療研究センター・消化器科), 渡辺 一弘(国立国際医療研究センター・消化器科), 野崎 雄一(国立国際医療研究センター・消化器科), 永田 尚義(国立国際医療研究センター・消化器科), 櫻井 俊之(国立国際医療研究センター・消化器科), 小島 康志(国立国際医療研究センター・消化器科), 小早川 雅男(国立国際医療研究センター・消化器科), 秋山 純一(国立国際医療研究センター・消化器科), 今村 雅俊(国立国際医療研究センター・消化器科), 正木 尚彦(国立国際医療研究センター・消化器科), 柳瀬 幹雄(国立国際医療研究センター・消化器科)
抄録 【目的】バルーン下逆行性経静脈的塞栓術(B-RTO)は主に大きな胃静脈瘤の治療に著効するが,さまざまな副効果がみられることも知られている.今回,我々の施設において胃静脈瘤に対するB-RTOを目的としてバルーン閉塞下逆行性門脈造影(B-RTV)を施行した患者における成績を検討したので報告する.【方法】2000年から2012年までに胃静脈瘤に対して治療を目的としてB-RTVを施行された患者56例(男性30例,女性26例,平均年齢 64.5歳)を対象とした.【成績】胃静脈瘤の原因となる基礎疾患はC型肝硬変24例,B型肝硬変3例,アルコール性肝硬変12例,その他の肝硬変3例,原因不明の肝硬変18例であった.治療時期は緊急例15例,待機例41例であった.肝予備能の中央値は7点であり,緊急例でChild-Pugh 7点(7-11),待機例で7点(5-11)であった.静脈瘤の流入路は左胃静脈 12例,後胃静脈 2例,短胃静脈 1例,脾静脈 2例,複数の流入路を有するものが36例,その他3例であった.静脈瘤の内視鏡的形態はF1 4例,F2 23例,F3 21例であった.B-RTOの施行困難例が6例(緊急例1例,待機例5例)存在した.処置中に静脈瘤破裂をきたした例が待機例で1例あった.胃静脈瘤消失率は85.7%で緊急例93.3%,待機例85.4%であった.胃静脈瘤の無再発期間(平均観察期間1080日)および生存率(平均観察期間1111日)をKaplan-Meier法およびLogrank検定で検討した結果,緊急例および待機例の群間で差を認めなかった(p=0.92, p=0.14).【結論】B-RTVを施行した胃静脈瘤はその治療時期に関わらず,多くが良好な治療効果を示した.
索引用語 B-RTO, 胃静脈瘤