セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓(門脈圧亢進症2)

タイトル 消P-86:

難治性肝性胸水に対するTIPSの治療成績

演者 城所 秀子(日本医大・消化器内科)
共同演者 楢原 義之(日本医大・消化器内科), 金沢 秀典(日本医大・消化器内科), 安良岡 高志(日本医大・消化器内科), 中川 愛(日本医大・消化器内科), 橋本 知実(日本医大・消化器内科), 糸川 典夫(日本医大・消化器内科), 枡 卓史(日本医大・消化器内科), 近藤 千紗(日本医大・消化器内科), 張本 滉智(日本医大・消化器内科), 福田 健(日本医大・消化器内科), 松下 洋子(日本医大・消化器内科), 厚川 正則(日本医大・消化器内科), 中塚 雄久(日本医大・消化器内科), 坂本 長逸(日本医大・消化器内科)
抄録 【背景】肝性胸水は肝硬変の5%に発生する.繰り返し胸水穿刺を必要とする難治性肝性胸水は患者のQOLを著しく障害しその予後は不良である.【目的】難治性肝性胸水の治療としてのTIPSの有効性を明らかにする.【対象と方法】難治性肝性胸水の定義は,「充分な内科的治療にもかかわらず週1度以上の頻度で治療的胸水穿刺を必要とするもの」とした.対象は2001年から2012年までに難治性肝性胸水を適応としてTIPSを行った14例であり全例に右大量胸水が存在した.男/女8/6例,年齢62±9歳,C型5例,アルコール5例,他4例,病脳期間は3.6±1.7月,Child-Pughスコア(CPS)10.1±1.7であった.血清-胸水アルブミン較差は全例で1.1以上であり,3例に肝癌が存在した.TIPSは通常的方法により行った.【成績】1.全例で手技に成功し,門脈-下大静脈圧較差は22.4±4.7mmHgから8.3±4.6mmHgへ低下した.2.術後肝性胸水が消失したものを著効,胸水は残存するが胸水穿刺不要なものを有効,胸水穿刺を必要とするものを無効とすると,著効・有効・無効の率はそれぞれ術後2週で7%,79%,14%,4週で43%,50%,7%,8週で43%,50%,7%であった.3.対象全例における1年,2年生存率はそれぞれ66±14%,50±18%であった.4.対象にはCPS12点以上が3名存在し,うち2名がTIPS後退院することなく約45日後に死亡した.対象をCPS11点以内に限定する(n=11)と1年,2年生存率はそれぞれ78±14%,58±20%であった.5.対象中12例が軽快退院となった.退院例の平均追跡期間は23.3月であった.12例中4例が退院後死亡した.死因は肝癌1例,肝不全2例,肝腎症候群1例であった.6.追跡期間における肝性胸水のコントロールは良好であった.7.術後肝性脳症は1例,短絡路狭窄は7例に見られたが治療可能であった.【結語】難治性肝性胸水に対するTIPSの治療効果は極めて良好であったが,CPS12点以上は適応外とすべきと思われた.
索引用語 難治性肝性胸水, TIPS