セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓(その他1)

タイトル 消P-96:

骨髄異形成症候群(MDS)に伴う成人発症の骨髄性プロトポルフィリン症(EPP)による急性肝不全の1例

演者 鈴木 聡(江別市立病院)
共同演者 中村 和正(市立旭川病院・消化器病センター), 助川 隆士(市立旭川病院・消化器病センター), 千葉 篤(市立旭川病院・消化器病センター), 中嶋 駿介(市立旭川病院・消化器病センター), 杉山 隆治(市立旭川病院・消化器病センター), 小澤 賢一郎(市立旭川病院・消化器病センター), 垂石 正樹(市立旭川病院・消化器病センター), 斉藤 裕輔(市立旭川病院・消化器病センター), 松本 昭範(手稲ロイヤル病院・内科)
抄録 症例は80代男性.2008年よりMDSで血液内科通院中.2009年から光線過敏症を自覚していた.2012年8月より食欲不振が見られ,同25日嘔吐を主訴に救急外来を受診した.黄疸と胆汁うっ滞型肝障害を認め,閉塞性黄疸の疑いで入院したが,各種画像検査では胆道閉塞は否定的であった.AST,ALTは漸減したが黄疸は増悪し,PT延長,腹水貯留など肝不全症状を呈するようになった.ウイルス性,自己免疫性,薬剤性,内分泌異常に伴う肝障害などは全て否定的で,光線過敏症を伴うことからポルフィリン症を疑った.ポルフィリン体検索で血中プロトポルフィリンのみ著明高値を認め,EPPと診断した.MDSに伴う成人発症EPPの報告があり,本症例でも原因遺伝子FECHの存在する18番染色体欠失が認められた.抗菌薬が有効との報告に基づきSBT/CPZを使用したところ黄疸,肝不全症状の改善が認められ,後日施行した肝生検からEPPと確定診断した.EPPの肝障害は頻度は低いが重篤化することが多いと報告されている.今回保存的治療で救命し得た肝障害を伴う成人発症のEPP症例を経験したため,多少の文献的考察を含めて報告する.
索引用語 骨髄性プロトポルフィリン症, 光線過敏症