セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓(その他1)

タイトル 消P-98:

肝硬変患者へのEPA添加栄養食品(プロシュア)投与とLate Evening Snack(LES)としてのBCAA 添加栄養食品(アミノガレット,へパスII)投与の検討

演者 本合 泰(市立枚方市民病院)
共同演者 藤原 新也(市立枚方市民病院), 扇谷 大輔(市立枚方市民病院), 中平 博子(市立枚方市民病院), 奥田 篤(市立枚方市民病院), 鈴鹿 真理(市立枚方市民病院), 井口 宗威(大阪医大・2内科), 樋口 和秀(大阪医大・2内科)
抄録 【目的】プロシュアの肝細胞癌での報告はほとんどない.今回我々は,肝硬変患者におけるプロシュアの肝機能への影響,脂肪酸の変化,炎症抑制,栄養状態を観察する.また,LESにBCAA 添加栄養食品(アミノガレット,へパスII)を投与し,その効果を検討する.【方法】試験参加に同意したChild-Pugh AまたはBの肝硬変患者4例を対象とした.プロシュアを1日1パックをLESとして飲用,14日の時点でヘパンEDへの切り替えを実施.肝機能,Alb,TTR,CRP,脂肪酸分画,NH3,BTRの推移などを検討した.また,腹水や肝性脳症で入院したChild-Pugh BまたはCの肝硬変患者7例と肝細胞癌や食道静脈などの治療目的で入院したChild-Pugh BまたはCの肝硬変患者例にLESとしてのBCAA 添加栄養食品(アミノガレット,へパスII)投与を行って肝機能の推移を検討した.【結果】プロシュア飲用2週間後において,Alb,TTRに変動は見られず,NH3も問題になる変動は見られなかった.BTRは4例中3例で改善が認められた.脂肪酸分画ではプロシュア摂取後全例でEPAが上昇し,4例中3例でDHAが上昇した.ヘパンEDに切り替えたところEPA,DHA共に全例で低下した.BCAA添加栄養剤が服用しづらいChild-Pugh BまたはCの肝硬変患者にBCAA 添加栄養食品(アミノガレット,へパスII)をLESとして投与することでAlbの上昇がみられた.【結論】Child-Pugh AまたはBの肝硬変患者においては,プロシュア飲用は肝機能への影響はなかった.脂肪酸分画の推移では,プロシュア摂取時にEPA,DHA共に上昇する傾向が見られた.以上よりChild-Pugh AまたはBの肝硬変患者においては,プロシュア投与は問題なく行えるものと考える.また,BCAA添加栄養剤が服用しづらいChild-Pugh BまたはCの肝硬変患者にBCAA 添加栄養食品(アミノガレット,へパスII)をLESとして投与することは有用であると考える.
索引用語 BCAA, LES