セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)肝臓(その他1) |
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タイトル | 消P-101:当院で経験した肝膿瘍の臨床的検討 |
演者 | 喜田 裕一(国立名古屋医療センター・消化器科) |
共同演者 | 江崎 正哉(国立名古屋医療センター・消化器科), 浦田 登(国立名古屋医療センター・消化器科), 加藤 文一朗(国立名古屋医療センター・消化器科), 久野 剛史(国立名古屋医療センター・消化器科), 田中 優作(国立名古屋医療センター・消化器科), 龍華 庸光(国立名古屋医療センター・消化器科), 桶屋 将之(国立名古屋医療センター・消化器科), 都築 智之(国立名古屋医療センター・消化器科), 島田 昌明(国立名古屋医療センター・消化器科), 平嶋 昇(国立名古屋医療センター・消化器科), 岩瀬 弘明(国立名古屋医療センター・消化器科) |
抄録 | 【目的】画像診断による肝膿瘍の診断は比較的容易であるが,原因菌や背景因子,感染経路は様々で病態に応じた治療が必要である.そこで今回,当院で経験した肝膿瘍28例について比較検討した.【方法】対象は過去6年間に当科で経験した肝膿瘍28例である.内訳は細菌性9例(平均年齢67歳,男性6例,女性3例),アメーバ性16例(平均年齢49歳,男性13例,女性3例),不明3例(48歳男性,55歳男性,85歳男性)であった.各症例の臨床像,背景因子,画像所見を比較した.【成績】細菌性肝膿瘍は4例に手術歴があり,悪性腫瘍,糖尿病,関節リウマチ,腎不全,下垂体機能低下症などの基礎疾患が認められた.画像所見は単発が8例,多発が1例であった.全例で膿瘍穿刺が施行され,原因菌としてはKlebsiellapneumoniae3例,Fusobacterium2例,Bacteroides2例,Escherichia coli2例などであり,抗生剤により全例治癒した.アメーバ性肝膿瘍は4例に手術歴があり,9例に悪性腫瘍,薬物依存症,結核などの基礎疾患が認められ,HIV陽性は5例であった.下部内視鏡検査で発赤やびらんなどの所見が認められたのは9例であった.画像所見は単発が11例,多発が5例であった.全例で血中アメーバ抗体陽性となったが,穿刺を行った11例のうち迅速鏡検などで診断できたのは5例であった.治療はメトロニダゾールの内服で軽快し,2例で再発が見られた.【結論】今回の検討では従来の報告に比べてアメーバ性肝膿瘍の割合が高かった.画像所見では細菌性,アメーバ性の同定は困難であり,患者の背景や基礎疾患,臨床像からの推定が必要となるが,膿瘍穿刺は診断に有用と考えられた.細菌性肝膿瘍は比較的高齢者に多く,免疫低下を来す基礎疾患を持つ割合が高く見られた.アメーバ性肝膿瘍では再発の可能性があり,治療後も慎重な管理が必要と考える. |
索引用語 | 細菌性肝膿瘍, アメーバ性肝膿瘍 |