セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)肝臓(その他2) |
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タイトル | 消P-102:門脈ガス血症についての検討 |
演者 | 長沼 篤(国立高崎総合医療センター・消化器内科) |
共同演者 | 小板橋 絵理(国立高崎総合医療センター・消化器内科), 上原 早苗(国立高崎総合医療センター・消化器内科), 星野 崇(国立高崎総合医療センター・消化器内科), 宮前 直美(国立高崎総合医療センター・消化器内科), 相馬 宏光(国立高崎総合医療センター・消化器内科), 工藤 智洋(国立高崎総合医療センター・消化器内科), 高木 均(国立高崎総合医療センター・消化器内科), 石原 弘(国立高崎総合医療センター・消化器内科), 佐藤 洋一(国立高崎総合医療センター・放射線診断科), 根岸 幾(国立高崎総合医療センター・放射線診断科) |
抄録 | 【目的】門脈ガス血症(Hepatic portal venous gas: HPVG)は重篤な腹部疾患で認める比較的稀な画像所見で,予後不良な兆候とされてきた.一方近年救急医療現場でCTが頻用され,保存的に治癒する軽症例も多数報告されている.今回当院でHPVGと診断した症例について,retrospectiveに解析した.【方法】2010年4月から2013年3月の3年間に当院CTでHPVGを検出した96例の内,来院時心肺停止でautopsy imagingでHPVGを検出した86例を除き,残りの10例を対象とした.HPVGの生存群と死亡群について比較検討した.【成績】男性9例,女性1例.平均年齢73±23歳.背景疾患は陳旧性心筋梗塞及び慢性心不全3例,慢性腎不全3例,糖尿病3例,陳旧性脳梗塞2例等.HPVG原因疾患は,非閉塞性腸管梗塞症(nonocclusive mesenteric ischemia;NOMI)疑い3例,憩室炎2例,虚血性腸炎2例,絞扼性イレウス1例,高度便秘1例,穿孔性虫垂炎1例.治療は虫垂炎のみ手術をしたが,他は保存的治療であった.転帰は生存7例,死亡3例.生存群のHPVGは数日以内に消失し,1週間程度で食事摂取や経腸栄養が可能となった.死亡群は合併疾患が多く,診断時の全身状態が不良で3例とも診断翌日に死亡していた.平均年齢は生存群66.6±24.8歳,死亡群87.7±4.9歳と死亡群で高い傾向があったが有意差無し.HPVG診断時の白血球数,CRP,BUN,Crは死亡群で全て高値だったが,有意差有りはBUNのみであった(生存群24.4±15.8mg/dL, 死亡群74.2±30.4mg/dL,P<0.05).腸管気腫は生存群では無かったが,死亡群では全例合併した(P<0.05).HPVGの程度は,生存群は軽度6例と多かったが,死亡群は全例高度であった(P<0.05).【結論】全身状態が安定している症例では保存的治療で軽快する場合も多く,不要な開腹手術は避けるべきである.今回の検討ではBUN高値,腸管気腫合併,HPVG高度の症例は生命予後が悪く,救命のためには迅速な診断及び治療が求められるものと思われた. |
索引用語 | 門脈ガス血症, hepatic portal venous gas |