セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓(その他2)

タイトル 消P-105:

HTLV-1キャリアにおけるHCV関連肝細胞癌の病態の検討

演者 土持 舞衣(宮崎大・消化器血液学)
共同演者 蓮池 悟(宮崎大・消化器血液学), 山田 優里(宮崎大・消化器血液学), 大園 芳範(宮崎大・消化器血液学), 上原 なつみ(宮崎大・消化器血液学), 鈴木 翔(宮崎大・消化器血液学), 竹田 幸子(宮崎大・消化器血液学), 宮原 晶子(宮崎大・消化器血液学), 夏田 朱一郎(宮崎大・消化器血液学), 坂口 舞(宮崎大・消化器血液学), 橋本 神奈(宮崎大・消化器血液学), 山路 卓巳(宮崎大・消化器血液学), 中村 憲一(宮崎大・消化器血液学), 安倍 弘生(宮崎大・消化器血液学), 三池 忠(宮崎大・消化器血液学), 楠元 寿典(宮崎大・消化器血液学), 岩切 久芳(宮崎大・消化器血液学), 山本 章二朗(宮崎大・消化器血液学), 永田 賢治(宮崎大・消化器血液学DELIMITER宮崎大附属病院・肝疾患センター), 下田 和哉(宮崎大・消化器血液学DELIMITER宮崎大附属病院・肝疾患センター)
抄録 【目的】HTLV-1キャリアではHCVによる肝細胞癌(C-HCC)での死亡リスクが有意に高いといわれているが,HTLV-1がC-HCCの病態に与える影響を検討した報告はほとんどみられない.今回我々はC-HCC症例において,HTLV-1感染が肝予備能・進行度・予後におよぼす影響を後方視的に検討したので報告する.【方法】1993年から現在までに当科に入院したC-HCCのうちHTLV-1を測定した135例.これらを対象に腫瘍マーカ,肝予備能,Stage,初発時からの生存期間を,HTLV-1抗体陰性例と陽性例で後方視的に比較検討した.【成績】C-HCC(陰性例106 vs 陽性例29) において,年齢 (69.6 vs 70.8, p=0.34), 性別 (63/43 vs 16/13, p=0.42),血小板数 (10.9 vs 13.5, p=0.88)に明らかな差は見られなかったが, ICG R15 (22.5 vs 28.9, p=0.03),Child分類 (A/B/C= 62/21/5 vs 12/13/2, p=0.04)とHTLV-1陽性群において予備能が低下しており,また初発例における進行度 は(Stage 1/2/3/4A/4B=21/27/7/4/2 vs 3/6/8/0/0, p=0.02) と進行例が多かった.初発時からの累積生存期間は, 50%生存期間( 3432.0±395.8 vs 1958.0±126.8) ,平均生存期間 3830.7.4±322.77vs 2412.33±292.7)が有意に短縮していた(p=0.0121,log rank).【結論】HTLV-1/HCV重感染例で,肝細胞癌症例においては初発時に進行しており,また予備能が悪いことが判明した.HTLV-1,HCV重感染者では発がんに注意を要し,またより強力に治療を行う必要がある.またさらに積極的にインターフェロン導入を行いウイルス排除に導く必要がある.
索引用語 HCV, HTLV-1