共同演者 |
蓮池 悟(宮崎大・消化器血液学), 山田 優里(宮崎大・消化器血液学), 大園 芳範(宮崎大・消化器血液学), 上原 なつみ(宮崎大・消化器血液学), 鈴木 翔(宮崎大・消化器血液学), 竹田 幸子(宮崎大・消化器血液学), 宮原 晶子(宮崎大・消化器血液学), 夏田 朱一郎(宮崎大・消化器血液学), 坂口 舞(宮崎大・消化器血液学), 橋本 神奈(宮崎大・消化器血液学), 山路 卓巳(宮崎大・消化器血液学), 中村 憲一(宮崎大・消化器血液学), 安倍 弘生(宮崎大・消化器血液学), 三池 忠(宮崎大・消化器血液学), 楠元 寿典(宮崎大・消化器血液学), 岩切 久芳(宮崎大・消化器血液学), 山本 章二朗(宮崎大・消化器血液学), 永田 賢治(宮崎大・消化器血液学DELIMITER宮崎大附属病院・肝疾患センター), 下田 和哉(宮崎大・消化器血液学DELIMITER宮崎大附属病院・肝疾患センター) |
抄録 |
【目的】HTLV-1キャリアではHCVによる肝細胞癌(C-HCC)での死亡リスクが有意に高いといわれているが,HTLV-1がC-HCCの病態に与える影響を検討した報告はほとんどみられない.今回我々はC-HCC症例において,HTLV-1感染が肝予備能・進行度・予後におよぼす影響を後方視的に検討したので報告する.【方法】1993年から現在までに当科に入院したC-HCCのうちHTLV-1を測定した135例.これらを対象に腫瘍マーカ,肝予備能,Stage,初発時からの生存期間を,HTLV-1抗体陰性例と陽性例で後方視的に比較検討した.【成績】C-HCC(陰性例106 vs 陽性例29) において,年齢 (69.6 vs 70.8, p=0.34), 性別 (63/43 vs 16/13, p=0.42),血小板数 (10.9 vs 13.5, p=0.88)に明らかな差は見られなかったが, ICG R15 (22.5 vs 28.9, p=0.03),Child分類 (A/B/C= 62/21/5 vs 12/13/2, p=0.04)とHTLV-1陽性群において予備能が低下しており,また初発例における進行度 は(Stage 1/2/3/4A/4B=21/27/7/4/2 vs 3/6/8/0/0, p=0.02) と進行例が多かった.初発時からの累積生存期間は, 50%生存期間( 3432.0±395.8 vs 1958.0±126.8) ,平均生存期間 3830.7.4±322.77vs 2412.33±292.7)が有意に短縮していた(p=0.0121,log rank).【結論】HTLV-1/HCV重感染例で,肝細胞癌症例においては初発時に進行しており,また予備能が悪いことが判明した.HTLV-1,HCV重感染者では発がんに注意を要し,またより強力に治療を行う必要がある.またさらに積極的にインターフェロン導入を行いウイルス排除に導く必要がある. |