セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道(診断1)

タイトル 消P-108:

急性胆管炎の重症度判定における血清プロカルシトニンの有用性

演者 梅舟 仰胤(東京大・消化器内科)
共同演者 木暮 宏史(東京大・消化器内科), 高木 馨(東京大・消化器内科), 川畑 修平(東京大・消化器内科), 斎藤 友隆(東京大・消化器内科), 渡邉 健雄(東京大・消化器内科), 内野 里枝(東京大・消化器内科), 濱田 毅(東京大・消化器内科), 宮林 弘至(東京大・消化器内科), 水野 卓(東京大・消化器内科), 佐々木 隆(東京大・消化器内科), 山本 夏代(東京大・消化器内科), 中井 陽介(東京大・消化器内科), 平野 賢二(東京大・消化器内科), 伊佐山 浩通(東京大・消化器内科), 多田 稔(東京大・消化器内科), 小池 和彦(東京大・消化器内科)
抄録 【背景】プロカルシトニン(PCT)は細菌感染による全身性炎症反応に伴って急速に血中で増加し,白血球数やCRPよりも感度と特異度が優れた重症細菌感染症の診断マーカーであることが示されている.しかし急性胆管炎の診断や重症度判定にPCTが有用であるかはエビデンスに乏しいのが現状である. 【目的】急性胆管炎の重症度判定における血清PCTの有用性について検討した. 【方法】対象は2011年1月以降に当科で急性胆管炎と診断した症例のうち,診断時に血清PCT値を測定した52例(男性37,女性15,年齢中央値70.5 (34~91)歳).原因は良性疾患20例,悪性疾患8例,ステント閉塞24例.胆管炎の重症度と血清PCT値との関連について検討した. 【結果】Updated Tokyo Guidelines (TG13)の重症度判定基準では軽症/中等症/重症が29/18/5例であった.診断時に重症細菌感染症の可能性が高いPCT>0.5ng/mlであった症例は32/52(62%)であり,軽症では13/29(45%),中等症・重症では19/23(83%)で有意差を認めた(p<0.01).PCTの中央値は軽症:0.28ng/ml,中等症:3.32ng/ml,重症:13.61ng/mlであり,軽症と中等症(p<0.01),軽症と重症(p<0.01)では有意差を認めたが,中等症と重症(p=0.52)では有意差を認めなかった.重症敗血症や敗血症性ショックの可能性が高いとされるPCT 2.0ng/mlをカットオフ値とした場合の胆管炎中等症・重症例に対する感度は70%,特異度は79%であった.ROC-AUCは0.81であり,診断能は比較的良好であった. 【結論】血清PCTは急性胆管炎の重症度判定に有用であることが示唆された.PCT高値(>2.0ng/ml)の症例は速やかな胆道ドレナージが必要と考えられる.
索引用語 胆管炎, プロカルシトニン