共同演者 |
渡辺 一弘(国立国際医療研究センター・消化器科), 永田 尚義(国立国際医療研究センター・消化器科), 新保 卓郎(国立国際医療研究センター研究所・医療情報解析研究部), 関根 一智(国立国際医療研究センター・消化器科), 田中 将平(国立国際医療研究センター・消化器科), 梅本 久美子(国立国際医療研究センター・消化器科), 大久保 栄高(国立国際医療研究センター・消化器科), 川添 彬人(国立国際医療研究センター・消化器科), 前屋舗 千明(国立国際医療研究センター・消化器科), 忌部 航(国立国際医療研究センター・消化器科), 古畑 悦子(国立国際医療研究センター・消化器科), 野崎 雄一(国立国際医療研究センター・消化器科), 櫻井 俊之(国立国際医療研究センター・消化器科), 横井 千寿(国立国際医療研究センター・消化器科), 小島 康志(国立国際医療研究センター・消化器科), 小早川 雅男(国立国際医療研究センター・消化器科), 蓮尾 金博(国立国際医療研究センター・放射線科核医学), 秋山 純一(国立国際医療研究センター・消化器科), 柳瀬 幹雄(国立国際医療研究センター・消化器科) |
抄録 |
【目的】胆石性胆管炎における画像所見の診断精度は十分に検討されていない.今回胆石性胆管炎の診断に有用なCT所見を検証する.【方法】対象は当院で内視鏡的逆行性胆管造影 (ERC)の前にMDCTを施行した患者のうち悪性疾患と胆管ドレナージの既往がある患者を除いた144例.ERCで総胆管結石と膿性胆汁もしくは胆汁培養陽性を認めた症例を胆石性胆管炎と診断した.MDCT所見は総胆管拡張,肝内胆管拡張,胆管壁肥厚,総胆管結石の有無,数,大きさ,造影早期相での肝不均一濃染,膵炎,胆嚢炎の合併を抽出し,各々のdiagnostic odds ratio (DOR)を算出した.また総胆管結石の同定率 (MDCT/ERC)を算出し,結石の大きさ (<10mm vs ≧10mm), 数(1個 vs ≧2個)の群別比較を行った.MRCPを施行した22例についてはMDCT, MRCP間の同定率も比較した.【成績】胆石性胆管炎は66/144人 (45.8%)であった.胆石胆管炎と有意 (p<0.05)に関連するMDCT所見は,総胆管拡張 (DOR, 3.2),結石の存在 (DOR, 3.2),造影早期相での肝不均一濃染 (DOR, 3.5)であった.MDCTの総胆管結石の同定率は81.0% (94/116)で,大きさが10mm以上の群で有意に高かった (49/54 vs 45/62, p=0.02).MRCPの結石同定率は90.9% (20/22)とMDCT (50.0%, 11/22)より有意に高く (p<0.01),大きさが10mm未満の群で特に有意な差を認めた (MDCT, 40.0%, 6/15 vs MRCP, 93.3%, 14/15, p<0.01).【結論】胆石胆管炎におけるMDCTの総胆管結石の同定率は高いが,小結石についてはMRCPの方が優れていた.他のMDCT所見では,総胆管拡張と造影早期相での肝不均一濃染が,胆石性胆管炎診断に有用であった. |