セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道(診断1)

タイトル 消P-113:

最近3年間に経験した胆嚢捻転症6例の検討

演者 三長 孝輔(日本赤十字社和歌山医療センター・消化器内科)
共同演者 石井 達也(日本赤十字社和歌山医療センター・消化器内科), 中井 智己(日本赤十字社和歌山医療センター・消化器内科), 益田 朋典(日本赤十字社和歌山医療センター・消化器内科), 東 俊二郎(日本赤十字社和歌山医療センター・消化器内科), 野口 未央(日本赤十字社和歌山医療センター・消化器内科), 松本 久和(日本赤十字社和歌山医療センター・消化器内科), 籔内 洋平(日本赤十字社和歌山医療センター・消化器内科), 信岡 未由(日本赤十字社和歌山医療センター・消化器内科), 太田 彩貴子(日本赤十字社和歌山医療センター・消化器内科), 岩上 裕吉(日本赤十字社和歌山医療センター・消化器内科), 谷口 洋平(日本赤十字社和歌山医療センター・消化器内科), 幡丸 景一(日本赤十字社和歌山医療センター・消化器内科), 中谷 泰樹(日本赤十字社和歌山医療センター・消化器内科), 赤松 拓司(日本赤十字社和歌山医療センター・消化器内科), 瀬田 剛史(日本赤十字社和歌山医療センター・消化器内科), 浦井 俊二(日本赤十字社和歌山医療センター・消化器内科), 上野山 義人(日本赤十字社和歌山医療センター・消化器内科), 山下 幸孝(日本赤十字社和歌山医療センター・消化器内科)
抄録 【目的】胆嚢捻転症は比較的まれな疾患であり,特異的な症状に乏しく診断が困難な疾患の一つであるが,急性腹症としての対応,治療が求められる救急疾患である.当院で過去3年間に経験した胆嚢捻転症6例の臨床的特徴及び診断,治療に関する検討を行った.【対象】2011年1月~2013年1月の期間に当院で経験した胆嚢捻転症6例を対象とした.【結果】平均年齢は85.3歳(79-90歳),性別は全例女性,BMI(Body Mass Index)の平均は17.6であった.受診時の主訴は,腹痛3例,嘔吐3例,38℃以上の発熱を2例で認めた.画像検査では,腹部超音波検査及び腹部造影CT検査において,胆嚢壁肥厚,軸偏位を全例で認め,4例で壁の造影効果不良があった.1例のみ胆嚢結石を認めた.4例で経皮的胆嚢穿刺を行い,2例では濃血性内容液であった.治療は,4例で緊急胆嚢摘出術を施行,鏡視下2例,開腹2例であった.待機的に胆嚢摘出を行った2例では,入院5日目,7日目に各々施行した.手術所見では,胆嚢は全てGrossΙ型遊走胆嚢であり,5例は完全捻転,1例は手術時に捻転が解除されていた.回転方向は時計回り3例,反時計回り2例であった.4例に胆嚢粘膜壊死を認め,緊急手術例の3例と待期手術の1例にも壊死が認められた.いずれも術後経過良好で軽快退院した.【考察】胆嚢捻転症は特異的な症状に乏しく,診断は容易ではないが,特に高齢の痩せた女性の腹痛では鑑別診断に挙げて検査を進める必要がある.診断後は可及的速やかな胆嚢摘出が望まれるが,待機的に手術を行った症例のように,高齢かつ症状に乏しい場合にはガイドライン通りに緊急手術を施行するかの判断に迷う症例も少なくないと思われる.胆嚢の虚血・壊死の評価にはCT検査における胆嚢壁の造影効果不良及び胆嚢穿刺における血性内容液が判断の一助になると考えられた.
索引用語 胆嚢捻転症, 胆嚢穿刺