セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)胆道(診断2) |
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タイトル | 消P-117:血中IgG4値によるIgG4関連硬化性胆管炎と他胆道疾患の鑑別 |
演者 | 河瀬 智哉(川崎医大附属病院・肝胆膵内科) |
共同演者 | 吉田 浩司(川崎医大附属病院・肝胆膵内科), 小山 展子(川崎医大附属病院・肝胆膵内科), 佐々木 恭(川崎医大附属病院・肝胆膵内科), 中島 義博(川崎医大附属病院・肝胆膵内科), 富山 恭行(川崎医大附属病院・肝胆膵内科), 仁科 惣治(川崎医大附属病院・肝胆膵内科), 吉岡 奈穂子(川崎医大附属病院・肝胆膵内科), 原 裕一(川崎医大附属病院・肝胆膵内科), 日野 啓輔(川崎医大附属病院・肝胆膵内科) |
抄録 | 【目的】IgG4関連硬化性胆管炎は,下部胆管狭窄例では下部胆管癌との鑑別が,肝門部から肝内胆管狭窄例では原発性硬化性胆管炎や肝門部胆管癌との鑑別が問題となる.胆管からの十分量の生検組織採取は困難なことから,今回我々は血清IgG4値によるIgG4関連硬化性胆管炎と他の胆道疾患との鑑別診断について検討した.【方法】2007年~2012年までの期間で,膵癌をのぞく胆道狭窄を示した93症例のうち血清IgG4値を測定した39例を対象とした.疾患の内訳はIgG4関連硬化性胆管炎による下部胆管狭窄9例,同肝門部・肝内胆管狭窄例5例,下部胆管癌が14例,肝門部胆管癌が5例,原発性硬化性胆管炎が6例.なお2011年以前のIgG4関連硬化性胆管炎の診断にはIgG4関連硬化性胆管炎臨床診断基準2011にて再度検討し,高IgG4血症を135mg/dl以上とした.また原発性硬化性胆管炎の診断基準にはMayo Clinicの診断基準(2003)を用いて検討した.【成績】IgG4関連硬化性胆管炎による下部胆管狭窄症例では9例中8例(88.9%)に高IgG4血症を認め,血清IgG4の中央値は268mg/dl,またIgG4関連硬化性胆管炎による肝門部・肝内胆管狭窄例では5例中3例(60%)に高IgG4血症を認め,血清IgG4の中央値は243mg/dlであった.一方で下部胆管癌症例・肝門部胆管癌での血清IgG4中央値は37.5mg/dlと上昇はなかった.原発性硬化性胆管炎では1例(16.7%)に血清IgG4の上昇を認めた(IgG4=142mg/dl)が,中央値は51.2mg/dlであった.【結論】IgG4硬化性胆管炎では高率に高IgG4血症を認め,その中央値もIgG4硬化性胆管炎以外の胆管狭窄のそれと比較して有意に高値であった.我々の検討では悪性疾患において血清IgG4の高値は認めず,高IgG4血症の有無はIgG4硬化性胆管炎の診断に有用であったが,その一方で原発性硬化性胆管炎の1例に高IgG4血症を認めたことから,IgG4関連硬化性胆管炎の診断には画像検査も含めた総合的診断が引き続き必要であると考えられる. |
索引用語 | IgG4関連硬化性胆管炎, 鑑別診断 |