共同演者 |
道堯 浩二郎(愛媛県立中央病院・消化器内科), 二宮 朋之(愛媛県立中央病院・消化器内科), 平岡 淳(愛媛県立中央病院・消化器内科), 谷平 哲哉(愛媛県立中央病院・消化器内科), 中原 弘雅(愛媛県立中央病院・消化器内科), 山子 泰加(愛媛県立中央病院・消化器内科), 清水 祐宏(愛媛県立中央病院・消化器内科), 今井 祐輔(愛媛県立中央病院・消化器内科), 達川 はるか(愛媛県立中央病院・消化器内科), 白石 明子(愛媛県立中央病院・消化器内科), 岩尾 年康(会津中央病院・消化器病センター), 吉田 浩司(先端消化器画像研究センター), 牛尾 純(先端消化器画像研究センター), 石野 淳(先端消化器画像研究センター), 長田 祐輝(先端消化器画像研究センター), 野村 佳克(先端消化器画像研究センター), 多田 大和(会津中央病院・消化器病センター), 中島 義博(先端消化器画像研究センター), 宇賀字 良平(会津中央病院・消化器病センター) |
抄録 |
【背景】中下部胆道癌の術前診断には,多数のmodalityにて用いられてきた.今回われわれは,胆道癌の最適な術前診断を明確にすることを目的に,これまでに経験した胆道癌を検討した.【対象と方法】2006年1月から2012年12月までの間に当院および前院で経験した中下部胆管癌手術症例55症例を対象とした.組織型は,乳頭腺癌11例,管状腺癌39例,未分化癌4例,粘液癌1例であった.検討項目は,垂直方向進展および水平方向進展の成否をMDCT,IDUS,生検,経口胆道鏡(POPS)にて検討した.検討には,諸検査に対する施行群と未施行群に分けて検討した.【結果】癌の肉眼形態は,乳頭型11例,結節型17例,平坦型27例であった.進展度形態は,表層進展型23例,壁内進展型は22例であった.乳頭型は全例,表層進展型を示した.結節型は9例が表層進展,8例が壁内進展であった.平坦型は表層進展3例,壁内進展24例であった.全体での水平方向正診率は70.9%(39/55)であった.MDCT,IDUS,および生検における水平方向診断の正診率は,72.0%,75.0%,85.0%であった.表層進展型胆管癌に対するPOPSの正診率は,81.8%であった.MDCT施行群,未施行群のおける正診率に統計学的な有意差は認めなかった(P=0.333).IDUS,生検とも有意差を認めなかった.(P=0.539,P=0.153)一方,MDCTの有無による垂直方向診断の正診率は54%,IDUSは86.1%であった.【考察】胆道専門医のいない施設での診断には,必ずドレナージする前にMDCTを,施行可能な施設では,表層進展か壁内進展なのかを考慮した上で,表層進展型は,MDCT→IDUS→生検→POPSを,壁内進展型は,MDCT→IDUS→生検→ENBD留置による直接胆道造影を行うことが望ましいと考えられた. |