セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道(治療1)

タイトル 消P-123:

PMX-DHP,CHDFにて救命しえた高齢者における急性閉塞性化膿性胆管炎の3例

演者 中沢 和之(向陽病院・消化器内科)
共同演者 新垣 直樹(向陽病院・消化器内科), 前北 隆雄(向陽病院・消化器内科), 榎本 祥太郎(向陽病院・消化器内科), 森 良幸(向陽病院・消化器内科), 清水 遼(向陽病院・消化器内科), 太田 有紀(向陽病院・消化器内科), 一瀬 雅夫(和歌山県立医大・2内科)
抄録 急性閉塞性化膿性胆管炎は,敗血症性ショックから多臓器不全に陥る予後不良な疾患である.今回,我々は,意識障害,腎機能障害を認め,播種性血管内凝固症候群をきたした急性閉塞性化膿性胆管炎の3例を経験し, ポリミキシンB-エンドトキン吸着療法(PMX-DHP), 持続血液濾過透析(CHDF)を施行し, 救命しえたので報告する.症例1は78歳,男性. 主訴, 意識障害. 血液検査, 腹部CT検査で, 急性閉塞性化膿性胆管炎と診断, 第1病日, 経皮経肝的胆嚢ドレナージを施行した. 第3病日, 腎機能障害が著明になり, PMX-DHPを2日間施行. 同時に血液透析(HD)を施行. 第5病日, 呼吸状態増悪のため, 気管内挿管にて呼吸管理, 第7病日から, 持続血液濾過透析を12日間施行した. 以後, HDを週3回施行し, 全身状態は改善した. 第23病日, 内視鏡的乳頭切開術, 截石術を施行した. 第29病日, HDを離脱した. 症例2は, 81歳, 男性. 主訴, 高熱, 上腹部痛. 意識は傾眠から昏睡. 血液検査, 腹部CT検査で, 急性閉塞性化膿性胆管炎と診断, エンドトキシンの上昇を認めた. 第1病日から, 血圧低下, 腎機能障害を認め. PMX-DHP, CHDFを施行. 全身状態と意識の改善を認めたので, 第3病日,内視鏡的胆管ドレナージを施行した. 第10病日, 肝胆道系酵素など著明に改善, 食事を開始した. 症例3は, 86歳, 男性. 主訴は発熱, 大腿部の痛み. 血液検査で, 肝機能障害, 腎機能障害を認めた, 腹部CT検査では, 総胆管結石を認めた. 内視鏡的胆管ドレナージを施行. PMX-DHP, CHDFを施行した. 全身状態の改善を認め, 第15病日, 食事を開始した. 急性閉塞性化膿性胆管炎に対して, 緊急に胆道ドレナージを施行, 早期にPMX-DHP, CHDFを施行することにより, ハイリスクである高齢者においても予後の改善をはかれる可能性があると示唆される.
索引用語 急性閉塞性化膿性胆管炎, エンドトキン吸着療法