セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道(治療2)

タイトル 消P-133:

肝内胆管癌診療の現状 ~非切除例における胆道ドレナージの課題~

演者 松崎 晋平(鈴鹿中央総合病院・消化器内科)
共同演者 岡野 宏(鈴鹿中央総合病院・消化器内科), 田中 宏樹(鈴鹿中央総合病院・消化器内科), 磯野 功明(鈴鹿中央総合病院・消化器内科), 新田 真吾(鈴鹿中央総合病院・消化器内科), 佐瀬 友博(鈴鹿中央総合病院・消化器内科), 斉藤 知規(鈴鹿中央総合病院・消化器内科), 向 克巳(鈴鹿中央総合病院・消化器内科), 西村 晃(鈴鹿中央総合病院・消化器内科), 濱田 賢司(鈴鹿中央総合病院・外科), 金兒 博史(鈴鹿中央総合病院・外科), 田岡 大樹(鈴鹿中央総合病院・外科), 馬場 洋一郎(鈴鹿中央総合病院・病理診断科)
抄録 【目的】肝内胆管癌の診療状況をretrospectiveに検討し,その現状と胆道ドレナージの課題を明らかにする.【対象と方法】2008年4月から2012年12月までに経験した肝内胆管癌26例(男性:女性16:10,年齢中央値74歳)を対象とした.検討項目は,1.患者背景(初発症状,CA19-9,ウイルス性肝炎),2.腫瘍内訳(肉眼型,部位,長径,進行度),3.治療法,4.予後,5.胆道ドレナージ,とした.【結果】1.初発症状は腹痛8,腹痛以外の腹部症状8,なし7,その他3.CA19-9は異常高値20例,中央値 1260U/ml(1-426100),B型肝炎2例,C型肝炎なし.2. 肉眼型は腫瘤形成型(優越型を含む)18,胆管浸潤型(優越型を含む)8.部位は左葉13,右葉11,その他2.平均腫瘍径67(29-130)mm,進行II1,III3,IVb22.3.治療法は化学療法14(初回投与GEM11,GEM+CDDP2,S-1 1),緩和11,切除1.4.予後は化学療法120日(1コース以上投与例では202日),緩和152日,切除例は無再発生存中(350日).5.胆道ドレナージは12例(初回:内視鏡10,経皮2,片葉9,両葉3)に行い,8例で胆管炎再発等に対する再処置が必要であった.最終留置形態(片葉3,両葉9)は金属ステント2本6例,チューブステント4例,その他2例であり,3例のランデブー法を含む5例で経皮処置を要した.【結語】肝内胆管癌の96%(25/26)が非切除例であり,その予後は130日と不良であった.胆道ドレナージは非切除例の48%(12/25)に行ったが,75%(8/12)の症例で再処置が必要であった.初回の両葉ドレナージは25%(3/12)であったが,最終的に75%(9/12)の症例で両葉ドレナージを要した.内視鏡治療のみでドレナージ可能な症例は58%(7/12)に限られ,42%(5/12)の症例で経皮処置を要した.予後不良な非切除肝内胆管癌に対するトラブルの少ないドレナージ戦略の構築が必要と思われた.
索引用語 肝内胆管癌, ドレナージ