セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道(その他)

タイトル 消P-147:

胆管細胞癌におけるガレクチン-9の増殖抑制:in vitroの検討

演者 小林 聖幸(香川大・消化器・神経内科)
共同演者 大倉 亮一(香川大・消化器・神経内科), 藤田 浩二(香川大・消化器・神経内科), 藤森 崇行(香川大・消化器・神経内科), 野村 圭(香川大・消化器・神経内科), 加藤 清仁(香川大・消化器・神経内科), 有友 雄一(香川大・消化器・神経内科), 小野 昌弘(香川大・消化器・神経内科), 鎌田 英紀(香川大・消化器・神経内科), 谷 丈二(香川大・消化器・神経内科), 三好 久昭(香川大・消化器・神経内科), 正木 勉(香川大・消化器・神経内科)
抄録 【目的】ガレクチン-9(Gal-9)はβ-ガラクトシド結合蛋白質の1つであり,胆管細胞癌(CCC)においてガレクチン-9による増殖抑制効果については明らかではない.今回我々はCCC細胞においてガレクチン-9による増殖抑制効果とその抑制機構について検討した.【方法】3種類のCCC細胞株(HUCCT-1,TFK-1,HuH-28)を使用した.これらの細胞株に対して種々のGal-9量(0.01μM~0.3μM)を投与し,細胞増殖抑制効果をMTT assayで検討した.さらにGal-9によるアポトーシスの誘導をcaspase-cleaved keratin18を測定することにより検討した.また,Gal-9投与による細胞内の細胞周期関連蛋白質群,血管新生分子群,レセプター型チロシンキナーゼ群をアレイチップにて網羅的に解析した.Gal-9の細胞増殖抑制に関連するマイクロRNAを同定するために1719分子が搭載されたチップを用いて網羅的に解析した.【結果】すべての癌細胞株において,Gal-9の投与によって濃度依存的に増殖抑制効果を示しアポトーシス誘導効果を認めた.Gal-9を投与したCCC細胞において血管新生分子群は影響を与えなかったが,EGFR,HGFR,IGF-1Rの活性を阻害していた.Gal-9投与群は,非投与群と比較して異なるマイクロRNAプロファイリングを形成し,Gal-9の癌細胞増殖抑制効果に関連して減弱するマイクロRNA群を同定した.【考察・結語】Gal-9の投与は全てのCCC細胞株で増殖抑制効果を示し,その抑制機構は主にアポトーシスの誘導であると考えられた.また,Gal-9のアポトーシス誘導と関連するマイクロRNA群を同定し,これらのマイクロRNAがGal-9の癌細胞増殖抑制効果に関与していると考えられた.
索引用語 ガレクチン-9, 胆管細胞癌