セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道(その他)

タイトル 消P-150:

当科における胆汁培養結果と背景疾患に関する検討

演者 小豆澤 秀人(関西労災病院・消化器内科)
共同演者 土居 哲(関西労災病院・消化器内科), 吉水 祥一(関西労災病院・消化器内科), 嶋吉 章紀(関西労災病院・消化器内科), 板倉 史晃(関西労災病院・消化器内科), 阿部 佳奈子(関西労災病院・消化器内科), 戸田 万生良(関西労災病院・消化器内科), 中村 剛之(関西労災病院・消化器内科), 柄川 悟志(関西労災病院・消化器内科), 糸瀬 一陽(関西労災病院・消化器内科), 牧野 仁(関西労災病院・消化器内科), 望月 圭(関西労災病院・消化器内科), 伊藤 善基(関西労災病院・消化器内科), 萩原 秀紀(関西労災病院・消化器内科), 林 紀夫(関西労災病院・消化器内科)
抄録 【目的】
胆汁培養で検出された細菌叢と背景疾患との関連性を検討する.
【方法】
2011年1月1日から2012年12月31日までの間,当科で経皮的ないし内視鏡的に胆汁を採取した45歳から96歳まで(平均年齢 73.9歳)の男性59例,女性58例,計117症例を対象とし,採取した胆汁培養202検体に対してretrospectiveに検討を行った.背景疾患に総胆管結石52例(44.4%),胆嚢炎14例(12.0%),膵頭部癌19例(16.2%),上部胆管癌7例(6.0%),そして各3例(2.6%)の肝細胞癌,胃癌及び大腸癌を認めた.また,1例(0.85%)に悪性リンパ腫を認めた.
【結果】
培養陽性例は101例168検体であり,検出菌種別にはEscherichia coliが多剤耐性株を含めると26例(22.2%)と最も多く,Enterococcus faeciumが24例(20.5%),Klebsiella pneumonia21例(17.9%),Enterococcus faecalis18例(15.4%)と続いた.悪性疾患を背景とした46例ではEscherichia coliKlebsiella pneumoniaを検出した割合は共に5例(10.9%)と少なく,Enterococcus facalis9例(19.6%) ,Enterococcus faecium7例(15.2%)と同等にStreptococcus sanguisを7例(15.2%)検出した.Streptococcus sanguisを検出した症例は,1例を除き内視鏡的な採取(ENBD)検体であった.
多剤耐性菌に関して,Staphylococcus aureus(MRSA)を検出した6例(5.1%),ESBL産生Escherichia coliを検出した2例(1.7%)はすべて結石を伴う胆嚢炎ないし結石を伴う胆管炎の症例で,1例を除き75歳以上であった.一方でStaphylococcus epidermidis(MRSE)を検出した5例中4例は悪性疾患を背景とした.
【結論】
高齢者での,特に結石を伴う胆道感染症では,多剤耐性菌を念頭に加療する必要性があると考えられた.
索引用語 胆汁培養, 胆管炎