セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道(その他)

タイトル 消P-151:

当院における胆管炎での胆汁細菌学的検査と抗菌薬感受性についての検討

演者 山田 俊哉(桐生厚生総合病院・内科)
共同演者 丸山 秀樹(上牧温泉病院・内科), 加藤 真理(桐生厚生総合病院・内科), 新井 洋祐(桐生厚生総合病院・内科), 古谷 健介(桐生厚生総合病院・内科), 飯塚 圭介(桐生厚生総合病院・内科), 野中 真知(桐生厚生総合病院・内科), 竝川 昌司(桐生厚生総合病院・内科), 飯田 智広(桐生厚生総合病院・内科)
抄録 【背景】胆管炎は,重症化の転機をたどることもあり,早期の胆道ドレナージ並び抗菌薬投与が必要である.そのため,胆汁培養採取・菌種同定はガイドライン上有用とされている(推奨度B).今回我々は,胆管炎での患者背景,胆汁細菌学的検査より,抗菌薬感受性について検討した.
【方法】平成22年4月から平成25年2月まで胆管炎で入院した患者のうち,経口内視鏡的に胆汁採取でき,培養・細菌学的検査を施行した77例について,原疾患・易感染性基礎疾患の有無・EST既往の有無・胆管炎重症度・血液培養と胆汁培養との一致率・培養菌種と菌数・抗菌薬感受性につき評価・検討をした.
【結果】平均年齢78歳(52~94歳),男性36例・女性41例,総胆管結石46例・悪性腫瘍30例・その他良性疾患1例,易感染基礎疾患を有する患者18例,EST後乳頭31例,胆管炎重症度は軽症4例・中等症59例・重症14例.胆汁培養陽性検体数67(87%),胆汁培養検出菌総数は91,多剤耐性菌検出数48(53%),複数菌検出23例,グラム染色白血球検出31例,グラム染色貪食像検出8例,血液培養施行患者8例で胆汁培養との一致7例(88%),各種培養菌種・各種抗菌薬耐性菌を認めた.胆汁培養陽性率と多剤耐性菌検出率は,原疾患・易感染性基礎疾患・EST既往・胆管炎重症度において有意差を認めなかった.
【考察】ガイドライン推奨抗菌薬を考慮し,当院では胆管炎に対しSBT/CPZを主に用いているが,耐性菌も散見された.同剤は他抗菌薬と比べ耐性菌の割合は比較的少なく,使用は妥当と思われるが,耐性菌も多く存在することを念頭において治療を行うべきである.また,抗菌薬の作用を発揮するには,胆管内圧も重要であると言われており,胆管ドレナージも重要である.更に胆汁培養,血液培養を積極的に活用し,菌種同定後は,de-escalationしていく事が耐性菌を出現させないために重要である.
索引用語 胆管炎, 胆汁培養