セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(基礎)

タイトル 消P-159:

次世代シークエンサーを用いた膵炎関連遺伝子異常の解析

演者 中野 絵里子(東北大病院・消化器内科)
共同演者 正宗 淳(東北大病院・消化器内科), 粂 潔(東北大病院・消化器内科), 下瀬川 徹(東北大病院・消化器内科)
抄録 【目的】膵炎発症の第一段階は膵腺房細胞内でのトリプシノーゲンの異所性活性化とされ,遺伝子異常によりトリプシン活性化と不活性化のバランスが崩れると膵炎発症にいたると考えられている.代表的な膵炎関連遺伝子異常として,PRSS1遺伝子のp.R122H変異やp.N29I変異,SPINK1遺伝子のp.N34S変異やc.194+2T>C変異などが挙げられる.しかし,家族歴の濃厚な遺伝性膵炎の約30%の症例で原因遺伝子が不明であり,いまだ明らかとなっていない膵炎関連遺伝子異常の存在が疑われる.今回,次世代シークエンサーを用いて,膵炎発症に関与する新たな遺伝子異常の同定を試みた.【方法】PRSS1遺伝子異常(p.R122H変異,p.N29I変異),およびSPINK1遺伝子異常(p.N34S変異,c.194+2T>C変異)陰性の,特発性慢性膵炎患者6例を対象とした.HaloplexTM target enrichment(Agient Technologies社)により消化酵素を中心とした網羅的解析を行い,Miseq(illumina)にてシークエンスを行った.検出された遺伝子変異に関して,慢性膵炎患者及び健常者との頻度を比較検討した.これらは本学遺伝病学分野との共同研究として行った.【成績】CTRC遺伝子c.86G>A (p.R29Q)変異およびCFTR遺伝子c.3468G>T(p.L1156F)変異を含めた多数の変異を検出した.特に PRSS1遺伝子のc.623G>C(p.G208A)変異は,健常者に比べて慢性膵炎患者において有意に高頻度であった.【結論】次世代シークエンサーを用いた網羅的解析により,膵炎関連遺伝子異常を検出した.PRSS1遺伝子のc.623G>C(p.G208A)変異が,新たな膵炎関連遺伝子異常である可能性が示された.
索引用語 次世代シークエンサー, 膵炎関連遺伝子