セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)膵臓(診断) |
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タイトル | 消P-164:膵疾患における造影超音波検査の有用性 |
演者 | 橋本 千樹(藤田保健衛生大・肝胆膵内科) |
共同演者 | 川部 直人(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 原田 雅生(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 新田 佳史(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 村尾 道人(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 中野 卓二(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 嶋崎 宏明(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 水野 裕子(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 菅 敏樹(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 大城 昌史(藤田保健衛生大・肝胆膵内科) |
抄録 | 【目的】ソナゾイドによる造影超音波検査は血流評価に優れた検査法の一つであるが,膵疾患の診断にはソナゾイドによる造影超音波検査は保険適応となっていない.今回我々は当院の倫理委員会の承認を得て膵疾患の診断における造影超音波検査の有用性を検討した.【対象と方法】2007年1月から2012年9月までに当院で造影超音波検査を行った膵疾患症例 311例を対象とした.内訳は膵癌 180例,IPMN 48例,自己免疫性膵炎 33例,慢性膵炎 16例,膵内分泌腫瘍 10例など.主な使用機種はGE社製LOGIQ E9で,超音波造影剤ソナゾイド0.01ml/Kgを静注後,5分まで病変部を観察した.プローブはC1-5,または9Lを使用した.造影超音波の所見を,他の画像診断所見や生検,手術病理所見と比較し病変の血流動態や鑑別診断能につき検討した.なお造影超音波検査は当院の倫理委員会の承認を得て患者の同意を得て行った.【成績】膵癌では,投与直後に膵実質と同程度に染影するが,その後,速やかに染影が低下するパターンが全例に見られた.5分後に,内部に染影を認めなかった症例は60%,内部の染影を認めた症例は40%であった.染影パターンと膵管癌の病理組織学的分化度の間に有意な関係は見られなかった.IPMNでは全例で隔壁と壁在結節に染影を認め,壁在結節と粘液塊との鑑別が容易となった.自己免疫性膵炎は,腫大部が早期に染影されゆっくりと染影が低下した.腫瘤形成性膵炎は腫瘤部全体がびまん性に染影され,周囲膵と比べて同程度の染影効果を認めた.膵内分泌腫瘍は早期染影を認め,周囲の正常膵実質より一瞬早く染影された.その後は,速やかに染影は低下し,正常膵実質と同程度の染影になった.【結論】ソナゾイドを用いた造影超音波検査は,簡便で副作用の少ない安全な検査法である.膵疾患においても,病変の血流動態を評価できることより疾患の鑑別診断,癌の進展度診断に有用な情報が得られる. |
索引用語 | 造影超音波, 膵腫瘍 |