セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(診断)

タイトル 消P-166:

膵動静脈奇形の臨床像と画像所見の検討

演者 長川 達哉(札幌厚生病院・2消化器科(胆膵科))
共同演者 松薗 絵美(札幌厚生病院・2消化器科(胆膵科)), 奥 大樹(札幌厚生病院・2消化器科(胆膵科)), 北川 翔(札幌厚生病院・2消化器科(胆膵科)), 宮川 宏之(札幌厚生病院・2消化器科(胆膵科)), 平山 敦(札幌厚生病院・2消化器科(胆膵科)), 岡田 邦明(札幌厚生病院・外科), 市原 真(札幌厚生病院・臨床病理科), 後藤田 裕子(札幌厚生病院・臨床病理科), 村岡 俊二(札幌厚生病院・臨床病理科)
抄録 膵動静脈奇形(膵Arterio-venous malformation,以下膵AVM)症例をretrospectiveに検討し,その臨床像と画像的特徴を明らかにした.対象は1993年1月より2010年12月までに当科において精査を行った膵AVM8例(うち切除4例)であり,年齢は41~73歳,全例男性であった.病変の占拠部位は頭部2例,体尾部6例で,限局性病変が2例,瀰慢性病変が6例であった.腹痛精査時に発見された4例以外はCTスクリーニング時に病変を指摘されていた.合併疾患は急性膵炎が3例,胃十二指腸潰瘍が2例であった.腹部血管造影をGold standardとすると病変の描出能(存在診断)はUS43%,EUS100%,ECDUS100%,CT100%,MRI86%であった.形態診断としてはUSあるいはEUSにて6例が異常管腔構造,3例が低エコー腫瘤像として描出された.血流動態診断ではAVMは濃染像(mosaic pattern)あるいは拡張した異常血管として各々CT75%,100%,MRI57%,71%,ECDUS100%,86%にて描出されたが,動門脈シャントはECDUSにて全例門脈拍動化として描出されたのに対し,CTでは撮像タイミングにより3例では指摘できなかった.ECDUSはEUSの形態診断とColor Doppler imagingによる血流診断を同時に施行でき,造影剤の併用により更に微細な異常血管の拡がりや既存の脈管との連続が生理的,非侵襲的に描出可能であり膵AVMの病態把握に有用であった.
索引用語 膵動静脈奇形, ECDUS