セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)膵臓(膵炎) |
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タイトル | 消P-168:当院における重症急性膵炎の治療成績 |
演者 | 益田 和彦(庄原赤十字病院・内科) |
共同演者 | 服部 宜裕(庄原赤十字病院・内科), 大屋 一輝(庄原赤十字病院・内科), 杉本 智裕(庄原赤十字病院・内科), 大沢 光毅(庄原赤十字病院・内科), 谷口 真理(庄原赤十字病院・内科), 盛生 慶(庄原赤十字病院・内科), 盛生 玲央奈(庄原赤十字病院・内科), 桑原 隆泰(庄原赤十字病院・内科), 毛利 律生(庄原赤十字病院・内科), 鎌田 耕治(庄原赤十字病院・内科), 中島 浩一郎(庄原赤十字病院・内科) |
抄録 | 【目的】重症急性膵炎に対しては的確な重症度の判定とそれに応じた治療が必要とされる.2008年10月に改訂された重症判定基準によって評価した当院における約8年間の重症急性膵炎24症例の治療成績を明らかにした.【方法】対象は当院において2006年7月から2013年2月までに経験した重症急性膵炎24症例.それぞれ背景因子,性別,年齢,成因,入院日数,予後因子およびCTgrade(厚生労働省急性膵炎重症度判定基準),膵局所動注療法の有無,持続的濾過透析の有無,手術の有無,膵炎後の仮性膵嚢胞の有無,転帰について検討した.予後因子・CTgradeは入院して72時間以内に増悪があれば,その時の重症度で判定した.また2008年以前の症例に関しては新基準に置き換えて評価した.【成績】24症例のうち男性は15例(62.5%),女性は9例(37.5%),平均年齢73歳であった.成因としてはアルコール6例,胆石10例,特発性5例,ERCP後の症例が3例認められた.平均入院日数は76日だったが,予後因子3点以上の症例では平均入院日数88.4日,2点以下の症例では平均入院日数65.4日と有意差を認めた.治療に関しては動注療法7例,持続的濾過透析6例,手術1例(腹腔内洗浄用カテーテルの挿入)であった.膵炎後の仮性膵嚢胞は5例だった.転帰に関しては膵炎を再発した症例は4例(3例がアルコール),死亡例は認めなかった.【結論】急性膵炎では病状は経時的に変化する.今回の検討でも入院24時間以内に重症膵炎ではないと判定したにも関わらず,24時間以降に重症化していく症例もみられた.ガイドラインにも示されているが入院72時間までは重症度評価を繰り返すことが重要である.経時的な評価を行うとき予後因子で判定することが多くなる.今回の検討でも予後因子と入院日数は正の相関を示した. |
索引用語 | 重症, 膵炎 |