セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)膵臓(膵炎) |
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タイトル | 消P-170:当院における蛋白分解酵素阻害薬・抗菌薬膵局所動注療法の検討 |
演者 | 片桐 真矢(上尾中央総合病院・消化器内科) |
共同演者 | 笹本 貴広(上尾中央総合病院・消化器内科), 外處 真道(上尾中央総合病院・消化器内科), 近藤 春彦(上尾中央総合病院・消化器内科), 山城 雄也(上尾中央総合病院・消化器内科), 三科 友二(上尾中央総合病院・消化器内科), 深水 雅子(上尾中央総合病院・消化器内科), 長澤 邦隆(上尾中央総合病院・消化器内科), 川上 知孝(上尾中央総合病院・消化器内科), 渡邉 東(上尾中央総合病院・消化器内科), 明石 雅博(上尾中央総合病院・消化器内科), 土屋 昭彦(上尾中央総合病院・消化器内科), 西川 稿(上尾中央総合病院・消化器内科), 山中 正己(上尾中央総合病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】本邦における急性膵炎診療ガイドライン2010では,蛋白分解酵素阻害薬・抗菌薬膵局所動注療法(以下,動注療法)は推奨度C1に位置付けられている.その開始基準や投与薬剤の種類と量,継続期間については明らかではない点が多い.当施設における動注療法について検討したのでここに報告する. 【方法】2007年1月から2013年2月まで当施設で診療した厚生労働省急性膵炎重症度判定基準における重症急性膵炎のうち動注療法を施行した10例を対象とした.男性5人,女性5人,平均年齢62.6歳,成因はアルコール性2例,胆石膵炎2例,特発性2例,慢性膵炎急性増悪2例,内視鏡的乳頭処置1例,膵管狭窄1例であった.発症から動注療法導入までの時間は最短で36時間,最長で216時間(9日間),平均93時間であった.持続期間は最短4日間,最長15日間,平均7.7日であった.動注カテーテル留置部位は腹腔動脈(以下CA)と上腸間膜動脈(以下SMA)を造影し病変に最も関与する動脈を選択し,CA7例,SMA3例であった.投与薬剤は蛋白分解酵素阻害薬としてnafamostat mesilate9例(3~4.8mg/kg/日,平均4.3mg/kg/日),gabexate mesilate1例(40mg/kg/日)で,全例でulinastatin30万単位/日の経静脈的投与を併用した.抗菌薬としてはメロペネム8例(全例1g/日),ドリペネム2例(全例1g/日)であった.メロペネム投与群のうち5例で,ドリペネム投与群のうち2例で経静脈的抗菌薬投与を併用した. 【成績】治療効果の判定として動注療法の転機,臨床症状の改善について評価検討した.動注療法を施行した全症例が生存退院し,膵壊死に伴う手術療法を必要とした症例はなかった.疼痛改善までは動注開始後平均21.6時間であった.SIRS改善までは平均51.4時間であった. 【結論】当施設での動注療法を施行した症例はガイドライン上重症であるにもかかわらず全例生存退院した. |
索引用語 | 急性膵炎, 蛋白分解酵素阻害薬・抗菌薬膵局所動注療法 |