セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(膵炎)

タイトル 消P-171:

ER-P困難例な閉塞性膵炎に対し膵管穿刺ドレナージ術を施行した3例

演者 町田 卓郎(北海道消化器科病院・内科)
共同演者 碇 修二(北海道消化器科病院・内科), 堀田 彰一(北海道消化器科病院・内科), 木下 幸寿(北海道消化器科病院・内科), 藤澤 良樹(北海道消化器科病院・内科), 加藤 貴司(北海道消化器科病院・内科), 佐々木 清貴(北海道消化器科病院・内科), 山田 裕人(北海道消化器科病院・内科), 加賀谷 英俊(北海道消化器科病院・内科), 中村 英明(北海道消化器科病院・内科), 目黒 高志(北海道消化器科病院・内科)
抄録 <はじめに>膵頭十二指腸切除後や慢性膵炎など膵管狭窄に伴う膵炎の治療は内視鏡的膵管ドレナージを選択することが多いが,内視鏡的に膵管へのアプローチが困難である症例も経験する.今回,我々は,内視鏡的膵管ドレナージ困難な膵管狭窄に伴う膵炎症例に対し,膵管穿刺・ドレナージ術を施行した3例(経皮的ドレナージ2例,超音波内視鏡下ドレナージ1例)を経験した.<症例>症例1 65歳男性,胆管癌の診断にて膵頭十二指腸切除術を施行.膵管空腸吻合部狭窄に伴う反復性膵炎を繰り返した.小腸内視鏡下膵管ドレナージ(DB-PD),超音波内視鏡下膵管ドレナージ(EUS-PD)を試みたが,ドレナージは不成功であった.そこで経皮経消化管的に膵管ドレナージを施行した.膵管‐空腸吻合部は狭窄のため,空腸側は造影されず,吻合部の突破はできなかった.そのため,消化管を経由して膵管に挿入されたドレナージチューブを消化管内で内視鏡的に切断し内瘻化に成功した.その後,膵炎の再燃は認めなかった.症例2 88歳男性,IPMCの診断にて膵頭十二指腸切除術の既往有り.平成25年1月,膵炎にて入院.膵管空腸吻合部の狭小化と膵石の嵌頓を認めた.DB-PDは高度の癒着のため膵管空腸吻合部まで到達できず.DBE施行時に誤嚥性肺炎を併発したため,EUS-PDも危険と判断した.そこで,経皮的膵管ドレナージ術を施行.膵管空腸吻合部を突破し,経皮的に採石,吻合部拡張術を施行した.症例3 65歳女性,慢性膵炎にて外来加療中.膵石の嵌頓による膵炎を繰り返していた.ER-Pを複数回施行したが,膵管へのカニュレーションができず,EUS-PDを施行した.EUS下に経胃的に膵管を穿刺し,ガイドワイヤーにて乳頭から十二指腸へ突破し,ランデブー法にて膵管ドレナージを施行した.<考察>ER-Pが困難な膵管閉塞に伴う膵炎に対し,経皮的膵管ドレナージ,EUS-PDは有効であり,試みるべき治療法と考えられた.
索引用語 膵管ドレナージ, 急性膵炎