セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)膵臓(自己免疫性膵炎1) |
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タイトル | 消P-179:胆膵領域のIgG4関連疾患12例の臨床的検討 |
演者 | 池端 敦(岩手県立中央病院・消化器科) |
共同演者 | 高橋 健一(岩手県立中央病院・消化器科), 大方 英樹(岩手県立中央病院・消化器科), 横山 直信(岩手県立中央病院・消化器科), 松本 信(岩手県立中央病院・消化器科), 三浦 真奈美(岩手県立中央病院・消化器科), 高橋 太郎(岩手県立中央病院・消化器科), 小原 範之(岩手県立中央病院・消化器科), 城戸 治(岩手県立中央病院・消化器科), 小野 貞英(岩手県立中央病院・病理診断センター) |
抄録 | 【目的】当科における胆膵領域のIgG4関連疾患の臨床像,治療,経過を明らかにすること.【対象・方法】過去5年間に当科で経験し,自己免疫性膵炎(AIP)およびIgG4関連硬化性胆管炎(IgG4-SC)の診断基準に従い診断された12例を対象とした.AIP10例(確診8例,準確診1例,疑診1例),IgG4-SC 8例(確診7例,準確診1例)であり,その中でAIPとIgG4-SCの合併例は6例であった.診断時の年齢中央値は73.5歳(50-79歳),性別は男性8例,女性4例,観察期間中央値は20月(2-50月)である.初発症状,IgG4値,画像所見,治療法,組織所見,経過について検討した.【結果】初発症状は黄疸6例,上腹部痛3例,背部痛3例,食欲不振2例,倦怠感1例,味覚異常1例であった.血清IgG4は中央値389mg/dL(62.8-2540)で,135以下が2例,未測定2例であった. CT所見では胆管拡張9例,膵腫大7例,頚部・肺門リンパ節腫大4例,膵被膜様構造2例,腎皮質の楔状影1例であった. PETは2例に施行され膵全体にSUV4前後の異常集積がみられた.手術はIgG4-SC4例に施行され,病理組織学的に3例でAIPの合併例と診断された.手術理由は複数回の胆管生検,細胞診を施行したが癌の否定が困難なためであった.切除標本の免疫染色では全例でIgG4陽性形質細胞の多数の浸潤が確認された.ステロイド治療は6例に施行され2.5-5mg/日の投与が継続されている.ステロイド中止による再燃が1例にみられ再投与された.非手術例8例では改善・軽快6例,不変2例であった.ステロイドの投与なく経過観察中の1例に膵萎縮,石灰化がみられた.【結語】当科の胆膵領域IgG4関連疾患の臨床像はこれまでの報告例とほぼ同様の特徴がみられた.胆管病変を有する症例では胆管癌との鑑別が特に重要である.ステロイド治療により短期的には良好な効果が得られるが,長期的な効果については今後の検討が必要と考えられた. |
索引用語 | 自己免疫性膵炎, IgG4関連硬化性胆管 |