セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(自己免疫性膵炎2)

タイトル 消P-183:

当院での自己免疫性膵炎に対する治療と経過

演者 大畠 昭彦(藤枝市立総合病院・消化器内科)
共同演者 丸山 保彦(藤枝市立総合病院・消化器内科), 景岡 正信(藤枝市立総合病院・消化器内科), 森 雅史(藤枝市立総合病院・消化器内科), 志村 輝幸(藤枝市立総合病院・消化器内科), 宇於崎 宏城(藤枝市立総合病院・消化器内科), 渡辺 文利(浜松南病院・消化器病・IBDセンター)
抄録 【目的】当院で経験した自己免疫性膵炎(AIP)の治療と経過についてretrospectiveに検討する.【対象】2000年6月~2013年2月までに当院で経験した自己免疫性膵炎22例(type2を1例含む)【患者背景】平均年齢66.9歳,男女比 17:5,自己免疫性膵炎診断基準2011で22例中19例が確診で2例が準確診であった.1例はICDCでtype2準確診例であった.【検討項目】(1)発症時の治療,(2)経過,(3)IgG4関連疾患を含めての再燃例【結果】(1)ステロイド導入した症例は17例,ステロイド治療を行わなかった症例は5例(手術が1例,未治療は4例)であった.ステロイドを導入しなかった理由は自然軽快・治療拒否であった.ステロイドを使用しなかった症例では,その後に再燃,増悪した2例に導入した.(2)ステロイド治療を行った症例は19例であった.観察期間の中央値は1141日(33~3820日).初期投与量は30mgあるいは40mgで維持量は2.5mgから5mgであった.ステロイド継続期間の中央値は856日(12~3776日).再燃を2例に認めた.ステロイド治療を行わなかった症例は3例(自然軽快が2例,膵癌を疑っての手術症例が1例)あり,観察期間の中央値が2125日でいずれも再燃を認めなかった.(3)AIP経過観察中の再燃例は3例あった.2例は維持療法中(治療期間1年と2年)で,もう1例は自然軽快したため未治療であった.再燃病変は膵が1例,後腹膜線維症が2例であった.また,AIP以外のIgG4関連疾患からの再燃例をみると4例あり,いずれもステロイド未使用症例であった.再燃病変はすべて膵臓であった.【考察】ほとんどの症例でステロイドが導入され,維持療法を行っていた.維持療法中でも再燃例を認め,膵以外の他病変での再燃傾向があった.また,IgG4関連疾患からの再燃例を見ても他臓器での再燃傾向が見られた.【結語】AIP(IgG4関連疾患を含めて)の経過観察では,他臓器での再燃に注意する必要があると考えられた.
索引用語 自己免疫性膵炎, 治療