セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)膵臓(自己免疫性膵炎2) |
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タイトル | 消P-184:当院で経験した自己免疫性膵炎症例の検討 |
演者 | 河端 秀明(京都第二赤十字病院・消化器内科) |
共同演者 | 白川 敦史(京都第二赤十字病院・消化器内科), 岡田 雄介(京都第二赤十字病院・消化器内科), 真田 香澄(京都第二赤十字病院・消化器内科), 中瀬 浩二朗(京都第二赤十字病院・消化器内科), 萬代 晃一朗(京都第二赤十字病院・消化器内科), 鈴木 安曇(京都第二赤十字病院・消化器内科), 河村 卓二(京都第二赤十字病院・消化器内科), 宮田 正年(京都第二赤十字病院・消化器内科), 田中 聖人(京都第二赤十字病院・消化器内科), 宇野 耕治(京都第二赤十字病院・消化器内科), 安田 健治朗(京都第二赤十字病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】当院で経験した自己免疫性膵炎(以下AIP)症例を解析し,診断と治療における問題点を明らかにする.【対象と方法】2005.5月-2013.2月までに当院でAIPと診断した17例(男:12例,女:5例,平均年齢71.5歳)を対象とし,検査所見,合併症,治療,および予後を検討した. 【成績】診断契機は,黄疸7例,無症状6例,また心窩部痛,倦怠感,食思不振および糖尿病悪化が各1例であった.血液学的異常は,IgG高値:64.2%,IgG4高値:92.8%,ANA陽性:88.2%,γ-globulin高値:40%,RF陽性:18.1%であった.膵外病変は,胆管病変10例,後腹膜線維症4例,硬化性唾液腺炎3例,自己免疫性肝炎2例,および橋本病2例であった.9例に糖尿病を合併していた.画像診断では膵腫大,主膵管の不整および狭細化を全例に認めた.診断に苦慮する症例には,造影超音波検査による鑑別を試みている.治療は11例に対してステロイド投与を行った.初期投与量の内訳は,9例にperdnisolone (以下PSL) 30-40mg内服,膵腫瘍との鑑別に苦慮した2例にパルス療法を行った.投与後の画像所見は全例で改善した.早期にPSL投与を中止した3例中2例で5,8ヵ月後に再燃を認めた.PSL1-10mgによる維持療法を行った7例では,6-56 (平均43.2) ヶ月間再燃を認めなかった.3年以上の維持療法後にPSLを中止した3例にも10-17 (平均13.5)ヶ月間再燃を認めていない.【考察とまとめ】AIPの診断にあたっては,高IgG4血症,画像診断,および膵外病変の存在により大部分の症例で臨床的診断が可能である.しかしながら,診断に苦慮する症例もあり,原則的にはEUS-FNAによる病理診断を考慮するが,ステロイドパルス療法による診断的治療が有用な場合もある.治療にはステロイドが有効であるが,早期中止による再燃例を認めるため,維持療法を行うことが推奨される.投与量や期間などについては更なる検討が必要である. |
索引用語 | 自己免疫性膵炎, IgG4関連疾患 |