セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(自己免疫性膵炎2)

タイトル 消P-185:

自己免疫性膵炎におけるIgG4関連疾患診断の意義

演者 佐藤 賢(群馬大附属病院・病態制御内科学)
共同演者 水出 雅文(群馬大附属病院・病態制御内科学), 星野 崇(国立高崎総合医療センター・消化器内科), 橋爪 洋明(群馬大附属病院・病態制御内科学), 長沼 篤(国立高崎総合医療センター・消化器内科), 細沼 賢一(東邦病院), 堀口 昇男(群馬大附属病院・病態制御内科学), 山崎 勇一(群馬大附属病院・病態制御内科学), 柿崎 暁(群馬大附属病院・病態制御内科学), 星 恒輝(群馬大附属病院・病態制御内科学), 安岡 秀敏(群馬大附属病院・病態制御内科学), 山田 俊彦(山田内科クリニック), 高木 均(国立高崎総合医療センター・消化器内科), 草野 元康(群馬大附属病院・光学医療診療部)
抄録 【目的】自己免疫性膵炎においてIgG4関連疾患診断基準合致例と非合致例の臨床病理学的背景の差は検討の余地がある.そこで自己免疫性膵炎臨床診断基準2011を満たした症例のうち,IgG4関連疾患包括診断基準2011合致例と非合致例の臨床病理学的特徴を明らかにするため検討を行った.【方法】当院及び関連施設の自己免疫性膵炎確診例を用いた.【成績】全登録症例は20例で,男性が16例,年齢は,中央値64歳(44-82歳),経過観察期間中央値2.6年であった.IgG4関連疾患診断合致例は15例(確診4例と疑診11例),非合致例は5例であった.非合致例のうち,膵組織採取1例を認めるも2型自己免疫性膵炎との鑑別は困難であった.非合致例は全てIgG4関連硬化性胆管炎臨床診断基準2012を満たし,1例潰瘍性大腸炎の合併を除き,その他の膵外病変の合併は認めなかった.また5例全てプレドニン治療が有効で,治療終了後1例で再発した.一方合致例の臨床背景は多彩で,15例中,肝炎症性偽腫瘍1例,リンパ球性下垂体炎1例,IgG4関連ミクリッツ病診断基準合致例2例,後腹膜線維症1例,甲状腺機能低下症1例であった.15例中13例でプレドニン治療が有効で,治療終了後3例が再発した.他,1例は自然軽快し,1例はピロリ菌除菌後軽快した.両群共,自己免疫性膵炎診断時から経過中に癌の発生例はない.【結論】IgG4関連疾患診断非合致自己免疫膵炎例での硬化性胆管炎以外の膵外病変の頻度が低い可能性が示され,合併症検索範囲の絞り込みに有効な可能性がある.合致の有無に関わらずプレドニンの治療効果は有効であった.非合致例と2型自己免疫性膵炎との異同は今後の検討課題である.
索引用語 自己免疫性膵炎, IgG4関連疾患