セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)膵臓(自己免疫性膵炎2) |
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タイトル | 消P-186:自己免疫性膵炎の診断におけるEUS-FNAの有用性に関する多施設共同研究‐中間報告‐ |
演者 | 伊藤 裕也(名古屋大大学院・消化器内科学) |
共同演者 | 廣岡 芳樹(名古屋大附属病院・光学医療診療部), 伊藤 彰浩(名古屋大大学院・消化器内科学), 川嶋 啓揮(名古屋大大学院・消化器内科学), 大野 栄三郎(名古屋大附属病院・光学医療診療部), 平松 武(名古屋大大学院・消化器内科学), 杉本 啓之(名古屋大大学院・消化器内科学), 鷲見 肇(名古屋大大学院・消化器内科学), 林 大樹朗(名古屋大大学院・消化器内科学), 桑原 崇通(名古屋大大学院・消化器内科学), 森島 大雅(名古屋大大学院・消化器内科学), 舩坂 好平(名古屋大附属病院・光学医療診療部), 中村 正直(名古屋大大学院・消化器内科学), 宮原 良二(名古屋大大学院・消化器内科学), 大宮 直木(名古屋大大学院・消化器内科学), 後藤 秀実(名古屋大大学院・消化器内科学DELIMITER名古屋大附属病院・光学医療診療部) |
抄録 | 【目的】EUS-FNAは膵組織を採取可能な安全で確立された技術であるが,自己免疫性膵炎(AIP)の診断に対しては否定的な意見が多い.現在,AIP診断におけるEUS-FNAの有用性をMulticenterかつProspectiveに研究中であり,その中間解析結果を報告する.【方法】対象はInternational consensus diagnostic criteria(ICDC)でAIP画像診断基準を満たし,前治療歴のない症例(目標症例数50例)とし,研究開始(2011年7月)~2013年3月までに登録した全24例(平均年齢63.0歳,男女比19:5)を解析した.22Gおよび25G針を用いたEUS-FNAにて病変部膵組織を採取し,1型AIPの病理組織学的所見{(1)著明なリンパ球と形質細胞の浸潤と線維化,(2)花筵状線維化,(3)閉塞性静脈炎,(4)多数のIgG4陽性形質細胞浸潤}の有無,及び2型AIPの病理組織学的所見{(5)膵管壁への好中球浸潤,(6)膵腺房への好中球,リンパ球と形質細胞浸潤}の有無を評価した.以下3項目を検討した.1)EUS-FNAによる膵組織採取率と偶発症率.2)EUS-FNAによる(1)~(6)の検出率.3)EUS-FNAによるAIP病理診断能.【成績】1)膵組織採取は全例可能であり,1例(4.2%)に内視鏡的止血術を必要とする出血を認めた.2)(1)17/24例(70.8%),(2)2/24例(8.3%),(3)1/24例(4.2%),(4)14/24例(58.3%),(5)0/24例(0%),(6)2/24例(8.3%)で検出可能であった.3)ICDCに基づき,(1)~(4)の2項目以上陽性の13例を1型病理診断陽性と判定し,(5),(6)のいずれかを認め,IgG4陽性形質細胞浸潤陰性の2例(共に20歳代で潰瘍性大腸炎あり)を2型病理診断陽性と判定すると,EUS-FNAによるAIP病理診断能は15/24例(62.5%)であった.【結論】EUS-FNAは腫瘍性疾患の否定のみでなく,AIPの病理組織学的診断に対する有用性も十分に期待できる. |
索引用語 | 自己免疫性膵炎, EUS-FNA |