セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
膵臓(腫瘍1)
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タイトル |
消P-189:切除標本を用いたFluorescence in situ hybridization法による膵管内乳頭腫瘍と膵管癌の染色体・遺伝子異常の検討
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演者 |
宮部 勝之(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学) |
共同演者 |
中沢 貴弘(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 林 香月(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 内藤 格(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 清水 周哉(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 近藤 啓(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 吉田 道弘(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 山下 宏章(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 梅村 修一郎(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 堀 寧(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 大原 弘隆(名古屋市立大大学院・地域医療教育学), 稲垣 宏(名古屋市立大大学院・臨床病態病理学), 城 卓志(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学) |
抄録 |
【目的】胃癌では免疫染色やFluorescence in situ hybridization (FISH)法を用いたHER-2過剰発現の有無により,Trastuzumabの治療効果を予測することができる一方で,膵臓腫瘍では,検体からの予後や抗癌剤の効果予測は依然として困難である.我々はFluorescence in situ hybridization (FISH)法を用いて,膵管内乳頭腫瘍(IPMN),膵管癌(PDAC)における染色体・遺伝子変異の違いを検討し,腫瘍発生・進展や予後への影響,診断への有用性を検討した.【対象】当院および関連施設にて切除された膵管癌切除標本22と膵管内上皮腺腫群(IPMA)25例を対象とした.【方法】過去の文献から異常がみられた染色体3,6,7,8,17,18番の数的異常,p16,p53遺伝子欠失の有無についてFISH法を用いて検索した.【結果】Monosomyを示す症例数の割合は,両群間に有意差を認めなかったpolysomyを示す症例数の割合は,染色体8番を除きPDAC群にて有意に割合が多かった(3番:4%対27%,6番:8%対46%,7番:0%対59%,17番:0%対36%,18番:4%対41%).p16 homozygous deletion,p53 hemizygous deletionはPDAC群にて有意に割合が多かった(p16:4%対27%,p53:8%対41%).6番または7番polysomy の存在にてPDACと診断した場合,感度・特異度はそれぞれ81.8%,92.0%であった.Kaplan-Meier法による生存時間分析では,それぞれの遺伝子・染色体異常を認める群と,認めない群との比較にて明らかな予後の差は認めなかった.【結論】膵管癌の染色体異常はFISH法にて検出が可能であり,これらのFISH probeを組み合わせることで,膵管癌の診断,および遺伝子染色体異常の解析に寄与できる可能性が示された. |
索引用語 |
膵腫瘍, Fluorescence in situ hybridization |