セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)膵臓(腫瘍1) |
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タイトル | 消P-192:膵上皮内癌の診断におけるMRCPの有用性の検討 |
演者 | 寺岡 雄吏(尾道総合病院・消化器内科) |
共同演者 | 天野 美緒(尾道総合病院・消化器内科), 今川 宏樹(尾道総合病院・消化器内科), 福本 晃(尾道総合病院・消化器内科), 飯星 知博(尾道総合病院・消化器内科), 小野川 靖二(尾道総合病院・消化器内科), 平野 巨通(尾道総合病院・消化器内科), 花田 敬士(尾道総合病院・消化器内科), 天野 始(尾道総合病院・消化器内科), 日野 文明(尾道総合病院・消化器内科), 米原 修治(尾道総合病院・病理研究検査科) |
抄録 | 【背景】早期診断が困難とされてきた膵癌の予後向上には,膵上皮内癌レベルでの診断が必要であり,その拾い上げが必須である.しかし,従来の報告では,CEA,CA19-9 などの腫瘍マーカーには限界があり,画像検査での拾い上げが重要である.我々は,尾道市医師会と協働し,2007年から膵癌早期診断プロジェクトを展開している.まず連携施設にてガイドラインでの危険因子を有する症例に腹部USを行い,軽微な主膵管拡張および膵嚢胞性病変がみられた症例を中核施設に紹介.MRCP,CT,EUSを行い腫瘤性病変,膵管狭窄等を認めた場合は,EUS-FNAまたは,ERCP下膵液細胞診を行っている.【対象】2007年1月から2012年12月までに膵上皮内癌と診断された12症例(男性7例,女性5例,平均年齢72.5±7.5歳)【方法】膵上皮内癌12例の各種画像所見(US,CT,EUS,MRCP)において診断の契機となった画像の検討を行い,各種画像検査における有用性を検討するとともに病理組織学的所見との対比を行った.【結果】対象12症例の診断の契機画像は,US異常5例,CT異常3例,MRCP異常3例,その他1例であった.腫瘍マーカーは全例陰性,2例に急性膵炎の先行を認めた.USとCTは全例で,またMRCPは12例中11例で施行された.膵管に異常所見を認めた症例は,USでは6/12(50%),CTでは9/12例(75%).MRCPで限局的な膵管狭窄,拡張を認めたのは10/11例(91%)であった.切除標本を用いた病理組織所見との対比では,MRCPで指摘された限局的な膵管狭窄に一致して癌が存在する症例と,狭窄周囲に炎症所見を認める症例が存在した.【結論】膵上皮内癌の診断契機として,限局的な膵管狭窄,拡張は極めて重要であり,MRCPは非侵襲的にこの所見を効率よく捕捉することが可能である. |
索引用語 | 膵上皮内癌, MRCP |