セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(腫瘍1)

タイトル 消P-193:

膵癌症例に合併した肺病変に関する検討

演者 大坪 公士郎(金沢大附属病院・がん高度先進治療センター)
共同演者 石川 大輔(金沢大附属病院・がん高度先進治療センター), 南條 成輝(金沢大附属病院・がん高度先進治療センター), 竹内 伸司(金沢大附属病院・がん高度先進治療センター), 衣斐 寛倫(金沢大附属病院・がん高度先進治療センター), 山田 忠明(金沢大附属病院・がん高度先進治療センター), 毛利 久継(金沢大附属病院・がん高度先進治療センター), 山下 要(金沢大附属病院・がん高度先進治療センター), 安本 和生(金沢大附属病院・がん高度先進治療センター), 矢野 聖二(金沢大附属病院・がん高度先進治療センター)
抄録 [背景] 膵癌症例では,時に肺転移,癌性胸膜炎などの腫瘍性病変,薬剤性間質性肺疾患などの非腫瘍性病変を合併し,致死的な転帰をたどることがある.しかし,多数の膵癌症例に合併した肺病変に関する検討はほとんど報告されていない. [対象と方法] 2007年1月から2013年3月までに当科にて加療を行った膵癌症例98例を対象とした.年齢は29歳から87歳 (中央値66歳),性別は男性58例,女性40例,腫瘍の占拠部位は頭部41例,体尾部55例,頭部・体~尾部の重複1例,頭~尾部1例,臨床病期 (JPS) はStageIII 3例,StageIVa 35例,StageIVb 60例であった.肺転移,癌性胸膜炎,癌性リンパ管症などの腫瘍性病変,薬剤性間質性肺疾患,ニューモシスチス肺炎,ARDS,肺塞栓症などの非腫瘍性病変 (細菌性肺炎は除く) の頻度,転帰などにつきretrospectiveに検討を行った. [結果] 腫瘍性病変は,肺転移19例 (うち診断時に合併9例,経過中に出現10例),癌性胸膜炎3例,癌性リンパ管症3例,計25例にみられた.一方,非腫瘍性病変は,薬剤性間質性肺疾患4例 (原因薬剤:gemcitabine 3例,erlotinib 1例),ニューモシスチス肺炎3例,ARDS2例,肺塞栓症1例の計10例にみられた (いずれも重複を含む).ニューモシスチス肺炎,肺塞栓症では死亡例はなかったが,肺転移,癌性リンパ管症を合併した1例,癌性胸膜炎,癌性リンパ管症を合併した1例,薬剤性間質性肺疾患症例のうち,gemcitabine, erlotinibによるもの1例ずつ,MRSA敗血症に伴うARDSを合併した1例の計5例は肺病変が原因で死亡した. [結語] 膵癌症例では,比較的高頻度に肺病変を合併し,中には死亡例もみられた.膵癌症例では肺病変の合併にも十分な注意を払う必要があると考えられた.
索引用語 膵癌, 肺病変