セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(腫瘍2)

タイトル 消P-194:

次世代シークエンサーによる膵神経内分泌腫瘍の癌関連遺伝子変異検索

演者 横田 雄大(山梨大・1内科)
共同演者 深澤 光晴(山梨大・1内科), 高橋 英(山梨大・1内科), 進藤 浩子(山梨大・1内科), 門倉 信(山梨大・1内科), 高野 伸一(山梨大・1内科), 佐藤 公(山梨大・1内科), 榎本 信幸(山梨大・1内科)
抄録 【目的】近年,次世代シークエンスによるWhole-genomeやWhole-exome解析から,膵癌をはじめとしたさまざまな疾患の遺伝子変異の全貌が明らかになりつつある.また,以前は困難とされていたFFPEサンプルでの広範囲な遺伝子変異検索もなされつつある.今回われわれは,膵神経内分泌腫瘍(PNET)の切除組織を用い,次世代シークエンスによる癌関連遺伝子変異検索を行った.【対象・方法】対象はPNET切除組織8例で,腫瘍部と非腫瘍部からサンプルを抽出し解析に用いた.DNA抽出はDNeasy Blood & Tissue Kit (QIAGEN) およびQIAamp DNA FFPE Tissue Kitを用い,癌関連46遺伝子,739か所の変異をターゲットとした190のampliconからなるIon AmpliSeqTM Cancer Panel Kit (Life Technologies Corporation) を用い増幅後,Ion PGMTM Sequencerにてシークエンスを行った.遺伝子変異の検出は付属ソフトを用いhp19ゲノムをReferenceとした.尚,本研究は遺伝子解析研究に関する本大学倫理委員会の承認および対象者からの同意を得て施行した.【結果】FFPEサンプルを含む切除組織からのDNA抽出は可能であり,Cancer Panel Kitを用いたMultiplex PCRでのlibrary増幅も可能であった.このlibraryからシークエンスを施行したところ,得られた13311bpのターゲット領域にmappingされたリード数は平均44.5万であり,平均coverageは2,070であった.1xCoverage達成率は100%であり,20xCoverage達成率は99.7%,得られた平均変異数は8.1個であり,ALK, CTNNB1, FGFR2, CSF1Rなどの変異が検出された.【結論】切除組織を用いた癌関連遺伝子変異の検出が,次世代シークンサーおよびMultiplexed PCRにより可能であった.今後多くの症例数にて解析し,遺伝子変異の臨床的意義を探求する予定である.
索引用語 膵神経内分泌腫瘍, 次世代シークエンサー