セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(腫瘍2)

タイトル 消P-196:

膵癌化学療法のFDG-PETによる治療効果判定について

演者 友影 美貴(公立松任石川中央病院・消化器内科)
共同演者 高畠 央(公立松任石川中央病院・消化器内科), 西川 昌志(公立松任石川中央病院・消化器内科), 浅井 純(公立松任石川中央病院・消化器内科), 卜部 健(公立松任石川中央病院・消化器内科)
抄録 【目的】膵癌の診断およびその治療効果判定においてFDG-PETを用いる機会が増えている.当院における膵癌のFDG-PETを用いた化学療法の治療効果判定について検討した.【対象・方法】2008年1月から2012年12月の期間中に膵癌と診断し化学療法を施行した32例中,治療効果判定にFDG-PETを施行した12例を対象とした.主病変および遠隔転移に対する治療効果をCT,FDG-PETにより評価した.CTではRECIST基準に準じて,FDG-PETではFDG集積(SUV)最大値の増減で評価した.【結果】対象症例は,平均年齢 67.3±3.7 歳,男性 11例,女性 1例.進行度分類は Stage1B 1例(8.3%),Stage 2A 3例(25%),Stage 2B 2例(16.7%),Stage 3 2例(16.7%),Stage 4 4例(33.3%)であった.(UICC 第7版).腫瘍径の中央値は36.7 mm(21.0 ~ 74.1 mm),RECISTでの治療効果判定はPR 3例(25%),SD 3例(25%),PD 6例(50%)であった.主病変のFDG集積の増減を最大値の前後比で評価すると前後比1未満は9例(75%),1以上は3例(25%)であった.対象症例中RECISTでPRもしくはSDであった症例についてFDG集積の前後比が1未満(4例)と1以上(2例)に分け検討した.生存期間中央値は10.4か月,3.6か月とFDG集積が低下している群で生存期間が延長している傾向がみられた.また,CTでSDと評価された3症例全例でFDG集積の低下を認めた.主病変のFDG集積の前後比が1未満と集積の低下を認めたが,遠隔転移の増悪を認め全体としてPDとなる症例もみられた.【結語】化学療法の治療効果判定において主病変のFDG集積の増減がCTでの評価に比べ早期に病勢を反映する可能性が示唆された.一方で,FDG集積の増減と臨床像が解離する症例もあった.
索引用語 膵癌, FDG-PET