セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(腫瘍2)

タイトル 消P-197:

当院における膵内分泌腫瘍切除例の検討

演者 塚野 航介(島根県立中央病院・消化器科)
共同演者 園山 隆之(島根県立中央病院・消化器科), 中瀬 真美(島根県立中央病院・消化器科), 上野 さや香(島根県立中央病院・消化器科), 福田 聡司(島根県立中央病院・消化器科), 泉 大輔(島根県立中央病院・消化器科), 三上 博信(島根県立中央病院・消化器科), 沖本 英子(島根県立中央病院・消化器科), 矢崎 友隆(島根県立中央病院・消化器科), 伊藤 聡子(島根県立中央病院・消化器科), 宮岡 洋一(島根県立中央病院・内視鏡科), 藤代 浩史(島根県立中央病院・内視鏡科), 高下 成明(島根県立中央病院・消化器科), 今岡 友紀(島根県立中央病院・消化器科)
抄録 【目的】膵内分泌腫瘍は膵腫瘍の1~2%とされ,典型的には多血性の腫瘍であり,各種画像検査において強い早期濃染像を呈する比較的稀な膵腫瘍とされる.当院における膵内分泌腫瘍について検討する.【対象】2000年4月~2012年3月の期間に,当院で手術を行い病理組織学的に膵内分泌腫瘍と診断された9例を対象とした.【結果】症例の内訳は男性1例,女性9例.平均年齢62.7歳で,基礎疾患としてMEN-Ι型を1例認めた.診断契機として有症状例は6例,検診発見例が3例であり,機能性が4例(インスリノーマ2例,ガストリノーマ2例),非機能性が5例であった.腫瘍径の平均は27mm(10-40mm)で,占拠部位は頭部6例,体部2例,尾部1例であり,術式はPD1例,SSPPD1例,PPPD3例,DP3例,核出術が1例であった.病理組織学的分類はWHO分類でNET G1 6例,NET G2 3例であり,リンパ節転移は3例に認めた.他病死した1例を除き,全例生存しており,生存期間中央値は53カ月(21-91カ月)であった.術前のCT画像で典型的な早期濃染を来たした症例は5例であった.嚢胞変性を呈していた1例と胆管拡張を来した1例は術前診断が困難であった.【結論】膵内分泌腫瘍は通常の膵管癌と比較すると,予後は良好で,外科治療を含めた集学的な治療が期待できる.近年画像検査の進歩により腫瘍径の小さい無症候性の膵内分泌腫瘍や非典型的な画像を呈する症例の報告も増加してきている.当院で経験した膵内分泌腫瘍切除例を検討し,若干の文献的考察を加えて報告する.
索引用語 膵内分泌腫瘍, 膵