セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(腫瘍3)

タイトル 消P-201:

膵癌術後5年生存例の予後

演者 岡田 邦明(札幌厚生病院・外科)
共同演者 高橋 昌宏(札幌厚生病院・外科), 石津 寛之(札幌厚生病院・外科), 益子 博幸(札幌厚生病院・外科), 川村 秀樹(札幌厚生病院・外科), 山上 英樹(札幌厚生病院・外科), 田原 宗徳(札幌厚生病院・外科), 渡会 博志(札幌厚生病院・外科), 久慈 麻里子(札幌厚生病院・外科), 谷岡 利朗(札幌厚生病院・外科)
抄録 【目的】膵癌切除術後,5年以上生存した症例を対象とし,その予後,耐糖能障害などの後期合併症,第2癌の発癌について検討した.【結果】1995年から2007年6月までに切除した膵癌は150例で,5年生存例は41例(27.3%),進行度はI 5例(62.5%),II 4例(50.0%),III 17例(34.0%),IVa 13例(21.7%),IVb 2例(8.3%)であった.予後は,原病死11例(26.8%),他病死6例(17.1%),生存中23例(56.1%)であった.原病死症例の再発時期は30~73か月,生存期間は61.8~93.8か月であった.再発部位は局所10例(90.9%),肺6例(54.5%),肝1例(9.1%)で肝転移再発が少なかった.他病死は7例で,2例は心疾患で死亡した.5例は術後65~78か月目に悪性腫瘍(肺癌1例,骨髄異形成症1例,乳頭部癌2例,膵癌1例)が発見され,73~95か月で死亡した.原病死例と詳細不明の1例を除く29例の後期合併症を検討した.術前糖尿病のなかった18例中4例(22.2%)が糖尿病を発症した.1例で脂肪肝が肝硬変に進展し,食道静脈瘤に対し2度のEVL+EISを必要とした.また,1例で肝内結石の経皮的処置を要した.術後の発癌は13例(44.8%)に認められた.肺癌は3例で術後47,56,65か月目に手術が行われたが1例は10か月で癌死した.大腸癌は4例で60,61,63,131か月目に発見,3例はEMRで処置可能であったが1例はAPRを要した.乳癌の1例は73か月目に切除術を施行した.72か月目にMDSを発症した1例は1か月後に肺炎で死亡した.乳頭部癌は2例で68,77か月目に発見された.1例はバイパス術後13か月で,1例は手術を拒否しEBD後18か月目に死亡した.残膵癌の2例は53,78か月目に発見された.1例は無治療で82か月生存中,1例は86か月目肝転移で死亡した.【結語】膵癌術後5年生存例41例中11例が原病死した.再発のない29例のうち13例に発癌がみられ経過観察中注意を要する.
索引用語 膵癌, 長期予後