セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(腫瘍3)

タイトル 消P-203:

当科における切除不能膵癌への化学療法の検討

演者 鈴木 修平(山形大・臨床腫瘍学)
共同演者 福井 忠久(山形大・臨床腫瘍学), 折原 美佳(山形大・臨床腫瘍学), 伊藤 由理子(山形大・臨床腫瘍学), 吉岡 孝志(山形大・臨床腫瘍学)
抄録 【背景】2011年7月より切除不能膵癌へGemcitabine(GEM)とelrotinibの併用が本邦でも保険適用とされたが,GEM単剤療法と比較し,間質性肺炎など重篤な有害事象のリスクが高く,OSの延長効果は小さいと考えられ,実際の投与には適切な症例選択が必要である.【方法】当科で2011年11月から2013年3月までGEM・erlotinib併用療法を行った切除不能膵癌11例,GEM単剤療法を行った6例について治療選択理由,治療効果及び有害事象等を後方視的に検討した.また,erlotinib承認前の2008年8月から現在までの切除不能膵癌へ化学療法を行った13例についても検討した.【成績】2011年11月からの症例(併用療法/単剤療法)については,年齢中央値(58/64),男性:女性(6:5/3:3).PSは,PS0 (1/2),PS1 (9/3),PS2(1/1)であった.奏効率は(0%/17%).観察期間の中央値は(225/262)日で,MST (111/108)日.単剤療法選択理由は,既存肺病変,嘔気,喫煙歴,高齢が1例ずつ,全身状態不良が2例であった.重篤な有害事象について間質性肺炎は認めなかったが,併用療法群で肝障害(Grade 4)が1例に生じた.【結語】当科においてGEM単剤療法,GEM・elrotinib併用療法はいずれも耐容可能であった.併用療法は予後改善効果に比して重篤な副作用が発生する可能性があり,適切な症例選択が重要と考えられた.
索引用語 膵癌, elrotinib