セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
膵臓(腫瘍4)
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タイトル |
消P-210:膵癌化学療法における膵腫瘍マーカーの有用性
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演者 |
武田 洋平(鳥取大・機能病態内科) |
共同演者 |
松本 和也(鳥取大・機能病態内科), 斧山 巧(鳥取大・機能病態内科), 河口 剛一郎(鳥取大・機能病態内科), 原田 賢一(鳥取大・機能病態内科), 八島 一夫(鳥取大・機能病態内科), 村脇 義和(鳥取大・機能病態内科) |
抄録 |
【背景と目的】進行膵癌の化学療法の効果判定は主に画像診断にて行われ,膵腫瘍マーカー(CEA,CA19-9,DUPAN-2,Span-1)は参考所見とされているが,画像所見に先行して膵腫瘍マーカーが増減することも多く経験する.今回,切除不能進行膵管癌での化学療法の効果判定における膵腫瘍マーカーの有用性を検討した.【対象と方法】2004年10月~2012年9月までに当院で病理学的に診断し化学療法による治療を施行した切除不能進行膵管癌54例のうち,一次治療を30日以上施行しえた38例(男25:女13,平均年齢65.3歳(38-83歳),Stage(JPS) III/IVa/IVb=1/5/32,治療レジメンGEM/S-1/GEM+S-1/ =20/3/15)を対象に,1)一次治療における膵腫瘍マーカー低下の有無と平均生存期間,2)膵腫瘍マーカー低下と画像でのSD以上の治療効果,3)膵腫瘍マーカー上昇と画像上のPDの時期について検討した.膵腫瘍マーカー低下は,治療開始前と比較しいずれも2倍以上,上昇せずに1種以上が低下したもの,上昇は1種以上が治療開始前の2倍以上となったものとした.検討項目3)は膵腫瘍マーカー4種を毎月測定したA群(n=19),3種以下を毎月測定したB群(n=13),種類を問わず1ヶ月以上の間隔で測定したC群(n=6)の3群に分けて比較した.【結果】診断時の膵腫瘍マーカーの感度は,それぞれCEA 45%,CA19-9 68%,DUPAN-2 67%,Span-1 75%であった.1)2)膵腫瘍マーカー低下群(n=18)は,膵腫瘍マーカー非低下群(n=20)と比較して,平均生存期間が長く(460日vs 220日,P<0.001),画像でSD以上の治療効果を認めた率が高かった(79%vs 26%,P<0.001).3)画像上のPD前にいずれかの膵腫瘍マーカー上昇を認めた率は,A群84%,B群39%,C群0%であった.膵腫瘍マーカーの内訳はCEA 7/30(23%),CA19-9 13/31(42%),DUPAN-2 8/20(40%),Span-1 8/23(35%)(重複あり)であった.【考察】膵癌の化学療法において,膵腫瘍マーカー低下は治療効果および生存期間を判定でき,さらに1か月毎の膵腫瘍マーカーの測定は画像上のPDを高率に予測できる. |
索引用語 |
膵癌, 腫瘍マーカー |