セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(腫瘍4)

タイトル 消P-211:

進行膵・胆道癌に静脈血栓症(VenousThromboembolism)を合併した3症例の検討

演者 高見 麻佑子(伊勢赤十字病院・消化器科)
共同演者 川口 真矢(伊勢赤十字病院・消化器科), 三浦 広嗣(伊勢赤十字病院・消化器科), 山本 玲(伊勢赤十字病院・消化器科), 山村 光弘(伊勢赤十字病院・消化器科), 大山田 純(伊勢赤十字病院・消化器科), 福家 博史(伊勢赤十字病院・消化器科)
抄録 【はじめに】進行癌において,診断の契機や加療中の合併症としてVTEを認める事がある.消化器癌・膵癌・肺癌に多いとされるも,そのメカニズムは明らかにはされていない.VTEに対する治療開始によりHistological Evidenceが得られなくなることがあり問題となるほか,緩和医療に移行してからも予後を縮めうる合併症であることより治療を要することが多い.今回,特徴的な3症例を経験したので報告する.【症例1】40歳代男性.左下腿浮腫を主訴に当院循環器科受診.下腿深部静脈血栓症(DeepVeinThrombosis:DVT)に対して抗凝固薬の内服を開始しコントロール良好であったが,一ヶ月後に浮腫増悪.CTにて血栓増大と傍大動脈リンパ節腫大を認め紹介,精査にて下部胆管癌Stage4と診断.Gemcitabin(GEM)+Cisplatin併用療法6コース施行し,PartialRemission得られている.VTEに対してはヘパリン製剤皮下注射にて,下腿浮腫改善および血栓縮小傾向である.【症例2】50歳代男性.背部痛精査CTにて進行膵癌Stage4b(HEP)にて紹介.入院時左下腿浮腫を認め,下肢静脈超音波検査にて下腿DVTを指摘,CTで肺動脈血栓症合併していた.ヘパリン製剤にて導入し,抗凝固薬内服に切り替えた.GEM単剤療法1コース施行したが,肝不全となり治療中.約1ヶ月後に呼吸苦の出現あり入院したが,翌日に死亡.【症例3】50歳代女性.心窩部痛精査CTにて進行膵癌Stage4b(HEP)と診断.GEM単剤療法施行したが,2コースでProgressiveDiseaseとなり緩和医療となった.約1ヶ月後より動悸が出現し,心臓超音波検査施行したところ,右心負荷指摘.CTで下肢静脈血栓および肺動脈血栓症を認めた.ヘパリン製剤持続静脈行うも,呼吸器症状出現2週間で死亡.
索引用語 膵癌, 静脈血栓塞栓症