セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
膵臓(腫瘍5)
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タイトル |
消P-215:当科における切除不能進行膵癌に対する治療成績
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演者 |
末永 成之(山口大大学院・消化器病態内科学) |
共同演者 |
戒能 聖治(山口大大学院・消化器病態内科学), 川野 道隆(山口大大学院・消化器病態内科学), 播磨 博文(山口大大学院・消化器病態内科学), 仙譽 学(山口大大学院・消化器病態内科学), 坂井田 功(山口大大学院・消化器病態内科学) |
抄録 |
【目的】Gemcitabine(GEM)やS-1の登場により切除不能進行膵癌患者の治療成績は向上しているが,未だにその予後は不良である.また,局所進行膵癌に対する治療は化学放射線療法(CRT),全身化学療法などの選択肢があり標準的治療が定まっていないのが現状である.今回,当科で施行した切除不能進行膵癌に対する治療成績をretrospectiveに検討したので報告する.【方法】2002年8月から2013年2月までの間に病理学的に通常型膵癌と診断が得られ,経過が追跡可能であった切除不能進行膵癌93例(局所進行22例,遠隔転移71例)を対象とした.男女比は48:45,平均年齢69歳(47-85歳),原発巣は膵頭部47例,膵体部31例,膵尾部15例であった.1)局所進行例,2)遠隔転移例,に対する初回治療別の全生存期間中央値(MST),1年生存率,有害事象について検討した.【成績】1)局所進行症例22例に対して初回治療にCRTを施行したのは11例(GEM+RT 10例,S-1+RT 1例)であった.CRT群/CRT以外群においてMST 16.9ヶ月/11.0ヶ月,1年生存率 54.5%/27.3%であった.Grade3以上の有害事象は両群においてWBC低下を1例(9.1%)ずつ認めた.CRT群で放射線治療終了5ヶ月目に十二指腸乳頭部潰瘍からの出血を1例(9.1%)認めた.CRT後に外科的切除を付加した症例はなかった.2)遠隔転移例71例に対する初回治療の内訳はGEM単独29例,S-1単独20例,GEM+S-1併用7例,BSC15例であった.GEM/S-1/GEM+S-1/BSC群においてMST 6.1ヶ月/7.3ヶ月/12.4ヶ月/1.7ヶ月,1年生存率 3.4%/20%/57.1%/0%であった.Grade3以上の有害事象はGEM群で5例(17.2%),S-1群で3例(15%),GEM+S-1群で4例(57%)に認められた.【結論】局所進行膵癌に対する治療においてCRTの有効性が示唆された.また,遠隔転移例に対しては,患者背景が異なっているため比較は困難だがGEM+S-1群において良好な成績が得られた.しかし,有害事象も多く認められたため,慎重な経過観察が必要と考えられた. |
索引用語 |
膵癌, 治療 |